GM経営破綻。
結局この話も、先のリーマンブラザーズ破綻のきっかけとなったサブプライムローンの焦げ付きにしても、あの国の経済が行き詰まった根元は一緒の様な気がしていて。
結局のところ、あの国は本来"自然に任せていれば"下流の方にいるべき多数の市民に、それ相応の生活より無理に上流側の、「背伸びした生活レベル」をさせようとし過ぎた、というのがあるんじゃないかと。
GMで言うと、経営破綻のきっかけの一つとなった多額の企業年金による負債。
労使の関係というのは、何だかんだで、「労」に労働に見合った賃金を払う「使」の側が上位の立場で関係を保つのが当然なのだが、あの国はちょっとその2者の関係が対等に近くなり過ぎたんじゃないかな、という気がしている。
まぁそれはもちろん経営者側の行為によるものなのだが。
会社の成長が右肩上がりであればもちろんそれでも資金繰りは回るんだけど、当然永遠に成長を同じ様に続ける会社など世の中には存在し得ないわけで、いつか必ず成長が止まる時が来る その時に一気に背伸びし過ぎていたツケが返ってきて取り返しがつかなくなる。
企業年金もサブプライムローンも、焦げ付きに至る構造としては、まるっきり同じな気がする。
あの国の労働者を雇って仕事をする時に、必ず問題になるのが、雇用する労働者のUnion(組合)の扱い。
あの国は企業内の組合じゃなくて、同業者全体の組合、という形で存在するのだが、それが日本の「連合」の比じゃない、日本じゃ考えられない様な異常に強い権力を持っていて、Unionの要求を相当飲まない限り労働者は全く働かない。
(これは州にもよる話で、そういうUnionが存在しない州もあるわけだが)
うちの会社もアメリカの労働者に現地工事をさせるプロジェクトを進めていた時、こういうUnionを後ろ盾に効率の悪い仕事して楽する労働者ばかりで、現場の工程がろくに進まず大赤字を出した、なんて例があった。
(もちろん、うちの会社があの国のそういう労働者のUnionの事情を十分認識していなかったのももちろん問題だが)
そういう状況を聞いていて、あの国の経済はそのうち確実に限界が来るな、なんて薄々思ってもいたのだが、まさかあの国最大の企業が破綻するまで行ってしまう(しかもこんなに早く)、とも思わなかったなぁ。
しかし、今まで必死にアメリカのモデルをマネしながら国を作ってきた日本はこれからどうしていけば良いんだろうね?放っておくと何年か後には同じ事がこの国で起きている様な予感もするんだが。少なくとも「右肩上がり」の状況は終わりつつあるしなぁ。
いや、だからと言って「もっと下流の人間には徹底して下流の生活をさせろ」とか、そういう極端な事を言ってるんじゃなくて、ちょっと「本来保たれるべき労使の上下関係のバランス」からずれて互いが近付き過ぎてるんじゃないですか、という、そういう感じ。
別に今から蟹工船の世界に戻れ、とか、そういう極論を言いたい訳じゃない(笑)
でもこのアメリカ発の世界金融危機と日本の今更の「蟹工船」のブーム、何気に両方とも今の時代を象徴する状況という感じが。
----------
下流の人間、で思い出したが、自分はこういう所に集まって恥ずかし気も無く悪態を付く様な「真の下流の人間」にだけはなりたくないな、と、このリンク先のニュース見て思った(爆)