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2010.05.15

今後の音楽ビジネス展望(大げさ)

さて、個人的な話で恐縮だが、明日出発で2年ほどドイツに滞在する事になった。
今まで日本の音楽業界のネタを何度か書いてきたが、取りあえずは現状何が起こっているのか、今後どうなっていくのか、的な纏めをここで書いて、このBlogでのネタ提供は取りあえず一旦区切りを付けようと思う。

まぁ、今じゃネットがあるので日本に居ても居なくてもあまりこういう分野に触れられる環境は変わらんとは思うがな、ただ、あっちでも日本に居る時と同じ物ばかり見ていてもあまり面白く無いし。

とりあえずこのBlogは残すが、場合によってはリニューアルして行く可能性もあり。まぁリニューアルと言っても背景程度かも知れないけど(笑)

参考文献としては、坂本龍一教授のこのコラムかな。これをきっかけに書いた、というのもあるので。

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昔、18世紀とか19世紀の頃(バッハ・モーツァルト・ベートーベンといった作曲家がいた頃)のヨーロッパは貴族社会。
作曲家や演奏家といった、音楽を生業とする人(プロの音楽家)の収入源は、王室や貴族の”パトロン”から支払われる金。当然そういう人達に向けた曲が主体。(限られた人向け)
映画「アマデウス」を見た人なら分かるでしょ、あの世界です。
あぁいう貴族階級の人はとにかく金だけは有り余るほど持っているが超ヒマで、労働とは一切無縁で、1日中芸術をたしなむのに明け暮れる様な生活。
だから当然金を払う音楽に対して要求されるクオリティはとてつもなく高い
結果として、出来上がった物がどんなのかというと、それこそ当時の著名な曲がその後200年・300年経った現在においても未だに「クラシック音楽」として消えずに世の中に残っている、そういうレベルのクオリティ。
当時の音楽は当然直接の再現方法は「ライブ演奏」しかない訳だが、作品として完成された物を間接的ながら常に高精度に再現出来る様に開発されたのが「楽譜」。このお陰で、今の時代でも、今の演奏者が当時の「ライブ演奏」をかなりの精度で再現出来るわけ。

一方で、当時の一般の平民の間で広まる音楽は、作者個人の名前が前面に出た作品というよりは「詠み人知らず」的な位置付けで、祭りなどでいろんな人が演奏したり歌ったりしながら、人から人へ、世代間を伝わって行く。
録音機器などは当時は当然無いし、こういう地位の人達の音楽には楽譜もほとんど存在しないので、音楽を伝承する方法は基本的には「ライブ」の形で耳と口と文字を使う方法。

その後近代になって、フランス革命やらロシア革命が起こり、貴族社会から市民が主役の社会になった。
必然的に、音楽で収入を得るプロの音楽家の収入源も、貴族達から一般庶民に変わっていった。
しかし当然一般庶民ひとりひとりは、提供された音楽に対する対価は貴族ほどの単価では支払える訳がない。
ただし、お分かりの通り、支払ってくれる一般庶民は、単価は低いが「アタマ数」は貴族なんかより圧倒的に多い。
そこで、音楽家が、これまでの貴族相手の時と同程度の、生活するのに十分な収入を得るためには、単価が安い分、数で稼ぐしか無い。
すなわち、より多数の市民に受け入れられる種類の作品を作る必要がある。(語弊もあるが、クオリティそのものより「受け入れられるか」の要素が先んじる

さらにその後、これまで「ライブ」でしか表現出来なかった音楽を形のあるもの(メディア)に記録してほぼ永久に保管・いつでも再現出来る機械として、蓄音機が発明された。これはその後レコードになっていく。
この機械の発明によって、音楽家が「ライブ」で演奏せずとも、自分の曲の音源をその機械でコピーして売り、間接的に収入を得る、という新たなビジネスモデルが生まれた。これが「多数のユーザに向けた商売」へのさらなる加速につながった。
その後さらにステレオが開発され、音源を提供する手段(=メディア)はレコード・CDと変わって来て、音質の向上が一気に進んだ。
しかし、メディア(固体)に音源を記録して売るというビジネスモデルはかなり長い期間変わらず続いた。

ところが、1990年代になると「インターネット」が登場し、その後10年・20年掛けて、徐々に音源を提供する環境がほぼ100年ぶり?に大きく変わる事になる。
「音」という形の無いものをやり取りするのに、これまで必要だった固体の媒体が不要になって、「データ」という、形が無い状態のままでのやり取り(すなわち「ネット配信」)が可能になった。
当初はご承知の通り低音質だったが、これはさらに固体メディアの蓄音機→レコード→CDの流れと同様、年を経る毎に品質が向上していき、気がつけば、固体メディア上に載る音楽の品質に対し、一般人には区別出来ない位のレベルにまで追い付いてしまった。
形の無いものを形のあるものに載せる、というコスト・形のあるもの(メディア)そのもののコスト・輸送コスト云々が配信では全く発生しない。当然、配信の方が圧倒的に安くなる。(それこそ坂本龍一の言う通り、ゼロに近くなる)。
そうなれば、一般庶民が安い方を選択するのは当然。legalだろうがillegalだろうが、同じ品質のものがタダで手に入るのなら誰だってそれを入手しようとする。

これにより、音源自体の単価が価格破壊的に安くなる現象が起こり、音楽家は当然ながら「従来のメディアの形で楽曲を売る、というビジネスモデルに乗ることで得られていた収入」を得る事が一気に困難(というよりは「ほぼ無理」)になる。
ただでさえ、一般庶民は1人辺りが音楽に支払う単価が少ないので数で勝負するしかなかったのが、その単価がゼロに近付く事で、もう数で勝負するにも限界のレベルに来てしまう、ということ。
そうなると、音楽家が生きて行くには、もはや従来のビジネスモデルを変えるしかない、という事態に追い込まれている、今はちょうどその過渡期にあたると思う。

では従来のビジネスモデルをどう変える必要があるのか。
現状、実行されている方法論は主に2つ。

  1. 「一般庶民」と異なる、より単価の高い客層にビジネスの対象を変える。
  2. 音源を売って利益を得る、というビジネス形態そのものを変える。

これのどちらか1つだけを選ぶ、という類の物ではなく、そもそも2種類の方法論は全く切り口が異なるので、2つの戦略を両方同時に実行することだって出来る。

主に1の手段を選んだのが日本で言うとジャニーズやアイドル系の人々。もちろん「握手会付き」「イベント付き」など、2の要素も併せて取り入れている。
その「より単価の高い客層」は、当然今の時代には貴族階級というものは事実上存在しないので、一般庶民の中から開拓してターゲット化していく必要がある。
現状は具体的はこんなところか。もちろんあくまで「ターゲットとする主な客層」であり、振れ幅は当然存在するが。

  • ジャニーズ主体の男性アイドル・・・親からもらったお小遣いやアルバイトの金でCD買ったりコンサートに行ったりする、10代・20代の女子中高生層を中心とした、昔ながらの「男性アイドルの追っかけ」層の女性達。
  • 男性韓流アイドル・女性アイドル・・・狭い範囲に人並み以上に興味を示すマニアックな人格で、なおかつ高い可処分所得があるので2の様なビジネスモデルに付いていってくれる客層。すなわち社会人・主婦層。

一方2の「ビジネスモデルの形態そのものを変えていく」のを主体にした例というと、海外で従来のレコード会社とは異なるイベント会社と360°契約を結んだMadonnaとか、音楽以外の分野で自分のキャラクターを利用して商売をする人。もっと言えば、歌手が本業の音楽以外に自分の顔でTVで役者やったりモデルやったりCMに出たりするのも広い意味ではこのケース。

その結果、メディアorネットに関係なく、ただ「大多数の一般庶民向け」に受け入れられる様な物を目指して音源を提供して、数をこなす事で収入を得る、そういう近年まで主流だった音楽ビジネスから、プロの音楽家は徐々に距離をおきはじめている。
これが「音楽チャート」の形骸化につながっている。

では、そういう「限りなく価値がゼロになってしまった」音源を、マニアでない人も含めて誰もが無制限で触れられる場所で楽しむ場所はあるのか、というと、今の社会では当然「ネット」の中になるのでは、と思う。
そういう場所にはどういう人が集まるかというと、極端な話、「ただ音を作って鳴らすのが趣味で、楽しいから自発的にやる」タイプの"無名"の人々。それこそ昔から祭りやなんかで音楽を演奏して楽しむ一般人と同じ。
そこには「商売」の要素は基本的には無い。ただ「好きな人」がやってるのもあって、決してクオリティは低くない。
それが今の時代のニコ動でのボーカロイド「初音ミク」で作った音楽、的な物に該当するって事なんじゃないのかな。
ただ、昔の「一般大衆の間に広まった音楽」的な規模と比べればまだまだ相当狭い範囲での広まりではあるが。(正直、こういう世界に全く触れたことの無い人が世の中では大半だと思うし)

以上を踏まえて、今後の音楽業界がどういう方向に進んでいくか、というと。まだ結論っぽくはないが、今の時点ではこの程度の事しか言えないかな。

・プロの音楽家が発信する音楽については、まずメディアの固形物が消滅してデータ化に移行していくのは時間の問題。曲の単価も限りなくゼロに近くなり、ライブや音楽家の周辺グッズ等の総合的なパフォーマンスに対して対価を支払ってくれる客層を構築出来る人が生き残る世界になる。
以前より厳しい様にも見えるが、何てことはない、極論すれば昔のバッハやモーツァルトの時代と同じ(笑)。
アーティストとしての能力もさることながら、どういう「パトロン」を得る事が出来るかも生き残る為の重要な要素になっていく、ということ。

・大量の一般庶民の中に存在する音楽は、正直どういう方向に向かっていくのかちょっとまだ不透明な感じがする。
個人的にはニコ動での「初音ミク」系もネット内のマニア層に留まっている感じがするし、これが果たして今後キャズムを超えて大多数の一般庶民に広まっていくかというと、個人的にはあまり可能性は高くない気もする。ネタにされる対象の音楽の種類にもよると思うけど。
もしそういう音楽が今後残っていくとすると、今のネット上の形とは全く違う物が今後現れて一気に広まる、そんな可能性もまだあるんじゃないかな。
こういう時に逃げの言葉として便利な「過渡期」という言葉でごまかしておこう(笑)

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では、明日よりそのバッハやベートーヴェンの居た国に行ってきます(笑)
ごきげんよう。

2009.05.09

Windows 7の製品候補版公開。

木村カエラ、初のシングルデイリー1位獲得!

以前にも小ネタ集で触れたが、1回くらいはオリコンデイリーチャートで首位に立ってみたかったというのが今回の発売日変更の本当の理由に3000円。

逆に言えば、もうアーティストの側からすればオリコンのチャートの順位なんてその程度の存在なんですよ、多分(爆)

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あ、別に音楽小ネタ集じゃないですよ(笑)。本題はこれ。

マイクロソフトがWindows 7 RC日本語版を公開

というわけで、先日のβ版と同様、MacBookのParallels経由でインストールしてみました。

前回のβ版は、画像ブラウザを立ち上げただけでシステムが必ずハングするというどうしようもない現象があったので結局ほとんど使わずじまいで消してしまったが、今回は一応そういう現象は起きていない様である。
ただ、Parallels(仮想化ソフト)上で動かしているからかどうか知らないが、起動時間がやけに遅い気がするなぁ(^^;;)。明らかに起動にXPの3倍くらいの時間が掛かってる。
まぁ今のMacBookもぼちぼちスペック的にきつくなりつつあるのは確かなのだが。メモリも2GBしか積めてないし。

でも、いざ起動してみるとまぁ動きは普通な感じ。やっぱりXPよりは遅いけど。
ガジェットっていう、デスクトップ上に常駐させられる小さいアプリ(時計とか天気の情報とか、そういうやつ)なんかもちゃんと動いているけど、これっていかにも「メモリ食い」な雰囲気があるな(笑)
とりあえず普段使ってるアプリを試しにインストールして使ってみたいと思う。

で、もうこの評価版は製品版リリース前の最終段階で、今回以上に機能が追加される事はもう無いらしい。しかしこんなのをタダで大量のPCユーザに利用させるなんて、Microsoftも今回は随分太っ腹というか。
Vistaがここまで大コケてしまった以上、この次の"7"では販売面で失敗が許されないだけに、かなり必死な感じがするなぁ。

で、こんなのMicrosoftにメールアドレス登録するだけでタダで使える(しかもほとんど製品版と同程度の完成度で)、というのなら、誰も製品版なんて買わないでこっちずっと使っちゃうんじゃないか、と思ってしまうが、いくら何でもMicrosoftもそこまでアホではない(笑)
ちゃんと公式サイトにこんな一文が。

Windows 7 ベータ版および RC 版には使用期限がありますのでご注意ください。 ベータ版の使用期限は 2009 年 7 月 31  日です。2009 年 7 月 1 日から警告とともに、2 時間ごとに PC がシャットダウンされます。また、RC 版の使用期限は 2010 年 5 月 31  日です。2010 年 3 月 1 日から警告とともに、2 時間ごとに PC がシャットダウンされます。Windows 7 ベータ版および RC 版をご使用の場合は、大事なデータを失わないためにも、使用期限前に必ずライセンス有効な製品版 Windows を最インストールするようにしてください。

利用期限が過ぎると「エラーメッセージを出して起動出来ない」なんてのがこれまでの一般的なライセンスプロテクションの手段だったが、今回は2時間毎に自動的に強制シャットダウンという、ユーザーを精神的な面から確実に追い込むなかなか素敵な手段ですね(笑)
しかもそれが1,2ヶ月先なんてもんじゃなくて、ほぼ1年後、なんてあたりも微妙な設定で憎い。

2008.11.23

CDアルバムが売れない理由(かなり長文)

昨日、本屋で今月号のRockin’on JAPAN誌を立ち読み(失礼)していたところ、山崎洋一郎編集長の編集後記「激刊!山崎」で、最近の日本の音楽業界の「CDが売れない事情」について書かれていた。
シングルCDが着うたやダウンロードに押されて売れないのはここ数年ずっと続く傾向だが、最近はそれに加えてアルバムのCDまで売れなくなってきているらしい。その影響で、レコード会社から離れて別の業界に転職する人も続出して深刻な事態になっている、との事。
じゃぁエンタメの業界そのものが縮小してきているのかというと決してそうではなく、各ミュージシャンのライブの収益はむしろ以前より伸びてきているし、映画もある程度の上がり下がりはあるがそこそこの収益を上げている。音楽業界でもダウンロード・着うた市場はそこそこ拡大する中、音楽CDだけが売れなくなっている、というのはなぜかと。

その記事では、「アルバムCDをみんな買わない理由」について、ネットの影響だけでなく、特に最近の日本のアーティストのアルバムに「良いアルバム」が無いからでは、と書いていた。
そこで言う「良いアルバム」とは、曲単体が良いというだけじゃなくて(単体で見れば良い曲はたくさんある。むしろ以前よりレベルは上がっている位)、「アルバム全体の構成を考えて、曲の集合体としての全体をひとつの作品として聴かせようとしている作品」という様な定義だったと思う(立ち読みだったので若干うろ覚え)。そういう「良いアルバム」が無いから、みんなアルバムCDを買うことに興味を持たず、単体の曲をバラバラにダウンロードや着うたで買ってさらっと聴く、という傾向が強くなっているのでは、と。
そこに比較対象として、海外のアーティストを何件か挙げて、海外では全体の構成をしっかり考えたアルバムを出している例が多く、実際ちゃんと売上実績を挙げていると。

まぁ言いたい事は分からんでも無いが、ここで海外のアルバムの例を持ってきてしまうと、話がおかしくなってしまうのでは、と思う。
そもそも音楽業界の事情として、日本と欧米諸国とでは、アーティストが楽曲をリリースする形態としての「アルバムCD」という物の位置付けが全く異なるので。

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その「日本と欧米諸国のアルバムCDの位置付けの違い」は今回の話の大前提なので、以下、少し細かめに書いてみる。

欧米のCDのリリースの仕方は概ね共通していて、とにかくまず「アルバム」がリリースされる。もちろん収録曲がアルバムリリース前のライブとかで演奏される事はあるが、「商品として市場に出される音源」としてまずリリースされるのはアルバムCD。
すなわちそのアルバムに収録された曲は基本的に全て世間に初お目見えの新曲となる。
但し実際はそのリリースに合わせて、そのアルバムの目玉になる1曲はアルバムと同時、もしくは先行(長くてもアルバムのリリース数ヶ月前程度)でシングル曲としてリリースされる。但し近年では、シングル「CD」が実際リリースされるのではなく、ダウンロードでの音源先行販売に加えてその曲のビデオクリップがメディアに公開され、MTVなどで頻繁に流されるのみ、という形が多い。(そもそも欧米ではもはや「シングルCD」というものの市場はほとんど絶滅寸前)
で、アルバムのリリース後、数ヶ月ピッチでアルバム内の曲から1曲ずつビデオクリップが公開されていく形になる。(日本的に言うと「アルバムからシングルカットされる」形)それが1枚のアルバムCDリリース後、大体1年・2年間続く。MTVなどでのチャートの対象も今ではこのビデオクリップで公開されたシングル。(だからCDとしては、事前にアルバム曲として出た後の曲が大部分を占める)

もちろんアルバムに未収録の新曲が出る事もあるが、それは何ヶ月後・何年後になるか分からない次のアルバムに入れるのではなく、既にリリースされた最新のアルバムに追加されて再発される事も多い。最近では、Rihannaのアルバム”Good Girl Gone Bad”のリリース後1年弱経ってから、新曲が3曲追加されて再発となった”Good Girl Gone Bad: Reloaded”などがその例。(追加の3曲のうち2曲はビデオクリップも公開された)
それに、アルバムのリリースピッチも1年というのはかなり短い部類で(若手や、人気が旬のアーティストの場合はもちろん1年ピッチくらいで出す例も多いが)、大抵は2年以上、中堅・ベテランになると3,4年くらい掛かる例が多い。今週末リリースのGuns n’ Rosesの14年はいくら何でも極端だが(笑)

こういう流れで楽曲の制作が進むのが標準的なので、結果的に、各アーティストはオリジナルアルバムに、十分に時間をかけて、自分のリリースする音楽作品のほぼ全ての物を注ぎ込む形になる。なので、そのアルバムに自分の描きたい世界や訴えたい事をどういう形で収め、構成していくか、そういう事に集中出来るわけ。

ちなみに、ここ1年で個人的に最も聴きまくっている洋楽アルバムはというと、Radiohead(良いアルバムを作っている海外アーティストの例として山崎洋一郎も記事で挙げていたうちの1組)が昨年末にEMIから離れてから初めてリリースしたアルバム”In Rainbows”なのだが、もうこのアルバムなんてその典型の様な内容。
全10曲、通して聴くとThom Yorkeがこのアルバムで描きたい雰囲気・世界がどういう物なのか、というのが聴いていて明確に見えてくる。これは単に曲調が一緒とか、ジャンルが一緒とか、そういう次元の話ではない。
それで個人的にも気に入って何度も聴いている。
他には、今年のColdplayのアルバム”Viva La Vida or Death and All His Friends”などもそういう面で見ても非常に良く出来たアルバムだったと思う。

一方の日本の音楽リリース状況はというと、欧米とは全く異なる。180度逆、と言っても良いくらい。
日本のメジャーレーベル所属のアーティストの場合、まず「完全な新曲」としてのシングル曲が何曲かリリースされる。特に有名どころのアーティストや、特定のレコード会社所属のアーティストの場合、ドラマやアニメや映画のタイアップ付きだったりCM曲だったり、他のメディア側からのリクエストを元にシングルがリリースされる場合がかなりの割合を占めている。(もちろん海外でも同様の例が無い訳ではないが、そういうシングル曲が大勢を占める様な事は無い)
しかもそれらのシングル曲はビデオクリップやダウンロードだけじゃなくて、「シングルCD」という形で全国のCD店の店頭で発売される。欧米と違い、日本ではまだシングルCDがそれなりに利益を上げられる程度の価格レベルでリリース出来る市場が残っているので。
で、そのシングルCDの「売上枚数」がオリコンのシングルチャートという形で世間に出回る。
まぁ最近のシングルCDに複数枚商法やら握手会商法が度々使われる中、オリコンの「シングルチャート」が「楽曲やアーティストの本来の人気」を示す指標としての価値をほとんど失っているのは業界の状況を知る人には周知の事実だが、そこは「腐っても鯛」「腐ってもシングルチャート」。まだまだこの業界でこのチャートの影響力は弱まっていないのが実情。
当然、このシングルチャートという「曲単位の指標」は、年末の紅白歌合戦や一連の「日本ナンタラ音楽大賞」の選定の基準にも使われる事になる。なぜなら、こういう年末のTVの音楽イベントはほとんどが「アーティスト個人」ではなく「曲単体」に照準を絞った企画だから。
それがある以上、レコード会社が「まずはシングル曲主体に曲を売る」という構図は恐らく変わらない。

その後、そういう数曲のシングル曲リリースを経て、アルバムがようやくリリースされるのが日本のメジャーでのCDリリースの流れ。(もちろんインディーズだとまた状況は違うが)
そのアルバムには、既に先行で世間に出回っている「シングル曲」数曲をまとめて改めて「再収録」する事で、そのアルバムの「目玉」にするのが通例。
それらのシングル曲は、そもそも他メディアのリクエストで制作・リリースしている物の割合が多いだけに、その後出されるアルバムの構成まで考えて先を読んでは作られていない場合が多い。
それに加えてアルバム自体も、有名どころの人は大抵1年ピッチか2年ピッチで、山崎洋一郎の文面上の言葉を借りるとレコード会社のビジネススケジュールに準じて「ルーティン」で作成されている様なもの。そこにそういう、バラバラに作られたシングル曲が2曲・3曲と入ってくるから、全体の構成もはっきりしない、単に新曲含めて10何曲並べて入れてみました、だけで終わってしまう様なアルバムは結果的に多くなってしまう。もちろん全部がそうだと言うつもりもないが。(例えばPerfumeの”GAME"あたりは、今年の邦楽アルバムCDの中でも相当しっかりした構成で作られている部類に入ると思う)

日本の音楽業界ではこういう楽曲リリースの流れだから、アルバムに、自分が音楽で描きたい世界をしっかり構成して作ろう、としてもなかなか難しい環境なんじゃないか、と思う。(もちろん各アーティストはその環境の中で精一杯やってるとは思うが)
特に、若手で旬の人達で、レコード会社からは売上枚数を求められ、各メディアからはタイアップ作品を次々求められる様な立場の人だと尚更である。

また、聴く側・買う側も、シングル曲をアルバムリリース時点では既に聴いてしまっているだけに、当然「あのシングル曲が入っているから・聴きたいから」アルバムを買う、という思考回路を働かせて買う人が多くなる。すなわち聴く前からシングル曲とそれ以外のアルバム収録曲に無意識に格差を付けてしまっている。(特に、そのアーティストのコアなファンじゃなく、シングル曲から入って「一度アルバムも聴いてみようか」くらいのライトな感覚で入ってくるファンはほとんどそうだろう)
そういう人はアルバムの全体の流れなんて気にせず、場合によってはシングル曲だけスキップして聴く、なんて事も多いのでは。

それに加えて今の時代の様に、シングル曲をダウンロードや着うたで比較的入手し易くなると、一般人にとっては「余計な他の曲」が入ってるアルバムを高い金出して買う位なら、曲単位でデータ落として済ませてしまおう、という事になり、アルバムのCDは結局「そのアーティストのよっぽどのファン」か、「とにかく音楽を聴く事が趣味」みたいな人でも無い限り買いもしないしレンタルすらしない、それが今の状況なんじゃないかな?
そりゃ、そんな状況でミリオンセラーなんてよっぽどでなけりゃ出ないでしょうね。100万人のコアなファンのいるミュージシャンなんてまずいないし。

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結局言いたい事は何かというと、日本の音楽市場でCDアルバムが売れないのは、別に作る側の怠慢で売れる曲が作れないとか、ダウンロード販売が広まったからとか、そういう1つの理由だけで説明出来る単純な構造ではないという事。
日本特有の音楽業界の構図、それに準じたCDのリリースの仕方、それに加えてもちろんダウンロード・着うたが広まりつつあること、それぞれの複数の要素が絡み合っての結果であり、簡単に解決出来る話ではないという事である。

今更着うたやダウンロードを市場から消すのは不可能だから、もし音楽業界が本気でCDアルバムの売上を底上げしたいのであれば、「曲の大ヒット」ばかりいくら待っていたってダメで、上に書いた「よっぽどのファン」か「音楽を聴く事が趣味」な、CDを率先して購入する客層を増やす努力をしていくしか無いのである。
それなのに、実際の今の音楽業界は全くそういう方面には動いていない。着うたで流行らせる曲を聴いても、とりあえず手っ取り早く、キャッチーな曲のサビの部分だけを提供してライトなファンから広く浅く回収しよう、という、いわば全く逆の流れ。
結局これって、今後「CDを率先して買う客層」になってくれる可能性のある音楽好きの若い人達の層に対して、そういう可能性を奪う行動を業界そのものが実践している様にしか見えない。これって自分で自分の首を絞めている様なもんだと思うんだが。

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最後に途中で触れたRadioheadのアルバム “In Rainbows”から個人的に特にお気に入りの2曲紹介。
「曲の中に自分の描きたい世界を示す」ってこういう事だ、というのが、この2曲だけからでも感じ取って頂ければ。

Jigsaw Falling Into Place

All I Need

2008.04.12

「羞恥心」から考えたこと。

もはや歌謡曲・演歌・ジャニーズ以外のポップスアーティストがほとんどまともにシングル作品を出さなくなって、アーティスト人気とかけ離れたひどい状態が続いているオリコン・シングルCDチャート。
先日は例のAKB48のアレとかもあり、もはやチャートそのものの存在価値が薄れてきている感は否めない。

しかし、今週、久々にこのシングルCDチャートに面白い話題が登場した。

クイズ・ヘキサゴンで無知キャラ全開で人気の男性タレント3人によるユニット「羞恥心」のシングルが何とオリコンデイリーチャート登場いきなり2位、そして登場2日目にして浜あゆを抜き去りオリコンデイリーチャート1位に(笑)

本日4/12時点で、iTunes Storeでもダウンロードランキング1位、AmazonでもPerfumeのアルバムに続く2位と、CDショップ・ネットと場所を問わず、人気が凄まじい。
(Amazonに至ってはもう品切れ状態の様である)

YouTubeにヘキサゴンの番組ラストで歌った映像があったが、まぁ曲そのものは一昔前の「シブガキ隊」あたりの男性アイドルユニットが歌っていてそうな、取り立てて特徴の無い、地味な曲。(紳助が作詞、紳助のお友達の元・アラジンの高原兄が作曲らしい)

でもまぁ、こういうシロートっぽい人達の企画モノが嵌る事って結構昔から1,2年に1回くらいの頻度で良くあること。この曲の話題でも無ければシングルチャートなんて今週も誰も注目していなかっただろうし、音楽業界的には悪い話じゃないと思いますが?

まぁそれはともかく、この方々のキャラに関する件で。

アホを売りにする人達が売れるのはどうか、なんて堅い事を言う人達がいるが、注意しておかなければいけないのは、「頭が悪い」と「物を知らない」は似てる様で全く違うということ。特に受験勉強で詰め込み教育をし続けてきた学生の方々はこの2種類の違いを完全に混同している人が多い。(社会人になったらこの2つが全然違う、という事は、仕事をして生きていく中で大体の人は思い知ると思いますが)
またここで誤解無い様にフォローしておくが、私は決して「詰め込み教育否定派」ではない。むしろ学生時代に基礎的な学力を付けるには詰め込みの方が効果があるし、そうやって付けた基礎学力は間違いなく将来、応用を求められた際にも役に立つと思う。ただ「そうやって身に付ける知識が人間の全てじゃないよ」ということ。

会社で受けたある研修で、「思考の生活習慣病」というのを取りあげているものがあった。
そのうちの1つに、結論を導き出すのに「直接的な情報」が揃っていないから「情報が無いので回答が得られません」とあっさり諦める人の問題が取りあげられていた。
課題の周囲に有力な情報が無い場合、その周りにある「間接的に結論とつながりがあるかも知れない」薄い情報から「仮定」をしていき、その「仮定」の検証という形で結論に徐々に近付いていく、という思考作業を「初めから全くしようとしない」人がすごく多いと。
結果的に結論につながらなくても良い、とにかく「関係無さそうでも、何か少しはヒントは無いか」という物の見方で何でも課題に取り組む、という姿勢が最近の人には欠けていると思う。この傾向は、特に上に述べた「詰め込んで得た知識が知性の全て」と勘違いしている人達に多い。「直接必要な情報が無ければ結論には絶対に到達出来ない」と思いこんでいるということ。

そういう物の見方で見るとどうか。
彼らは、物は確かに知らないが、その問題から、彼らなりに考えた結果、何かしらのアウトプットを口に出している。
それが真実の回答とかけ離れているから見ている人の笑いを誘うわけだが、じゃぁそれをどうのこうのとケチを付ける人、もしあなたが「自分の知らない知識範囲から出されたクイズ」を出題されて、彼らみたいな「何らかの回答」がすぐに出来ますか?ということ。
恐らく素人の人だと、回答ボタンも押さずに黙ったままになるのでは、と思う。
少なくとも、クイズ番組で「ボタン押さずに黙ってる人」というのは存在価値は全くゼロである。仕事に例えれば、会議の席でただ座っているだけで何も発言せずに終わる人は、会議に出席する意味が無い、それに似ている。
その点、彼ら・彼女らは、例え大ボケの回答でも、彼らなりに問題文から答えじゃないかと考えた回答を口に出している。「直接つながる情報が無くても答えはこうじゃないか」という仮定をして考える、という作業が、少なくともあの人達には出来ている。
その点、問題があっても「情報が無いから」と何も答えようとしない素人よりよっぽど優れていると思うのだが??
特に芸能界は、「知識」を持っていたって生き残れる業界ではない。あくまで「外に見せる本人のキャラクター」「本人が歌や演技で見せるアウトプット」が優れていてナンボの世界である。

まぁ、言いたい事は、彼らもただアホだから受けている、というだけじゃないよ、ということ。アホっぽいキャラクターを万人に分かり易い様にTVを通して見せる事が出来る、それだけでも十分な才能だと思いますよ。

まぁその才能の究極はジミー大西だと思うんですが(爆)

2008.01.27

がめつい商売の理由

さて、昨年から、例えばこの記事の様に、度々その「回収出来る所から徹底的に搾り取る」がめついCDの売り方をネタにさせて頂いている韓国の5人組アイドルグループ『東方神起』。
今年に入っての大量リリースの一環として今週発売された3枚目のオリジナルアルバム『T』であるが、これがまた凄い内容である。
オフィシャルサイトのリリース情報を参照。

CD単体パッケージとCD+DVDパッケージ、これは他のavexのアーティストと同じ形態であるが、今回はそこに何と「2CD+2DVD」という3種類目のパッケージが存在する。
それの税込み価格が何と¥7,000。CDのアルバムの価格じゃないな(^^;;;;)。
しかもCD+DVDのいつものパッケージも価格¥4,200と、ちょっとお高め。まずは価格で微妙に回収額を上げております。

さて、ではそれぞれのパッケージの中身を見ていくと、ファンに複数枚買わせるための、何とも凝った仕掛けがたくさん用意されている。

まず最も高い2CD+2DVD。
1枚目のCDの内容は13曲+ボーナストラック1曲 これはCD+DVDパッケージのCDと内容は同じ。
2枚目のCDはオフィシャルサイトによると『メンバーが作曲、初日本語作詞曲を収録したCD-DISC2』という事なので、良く知らんが恐らくこれまでのリリースには入ってなかった初収録曲なんだろう。要するにこのパッケージを買わないと手に入らない内容。で、当然ファンはこれを買う。

さらにDVD2枚の内容はというと、1枚目はビデオクリップ集、2枚目はライブ映像。ビデオクリップ集はCD+DVDパッケージのDVDと同じなので、これじゃCD+DVDは誰も買わんな・・・と思いきや、ここにまた凝った仕掛けが。
CD+DVDパッケージのDVDには『Off Shot Movie(アルバムジャケット撮影+江ノ島ロケ)を追加収録。』しかもこれが重要、この収録トラックは「初回盤限定」(笑)
これは2CD+2DVDを買っても付いてこないので、ファンは当然ここで「2CD+2DVD」と「CD+DVD」の2種類のパッケージを買う、という気になる。

じゃぁCD単体はどうか?と見てみると、またまたここにも。
単体のCDの内容は13曲+「CD単体パッケージ限定」2曲に、DVD付きと同じボーナストラック1曲。この限定の2曲はCD単体を買わないと入っていないので、当然ファンはさらにこれも追加で買う。

すなわち、3種類のパッケージを全部買わなければ、今回の収録内容を全部見ることが出来ない仕組み。まぁジャニーズも時々使う手ではある。

ところがこれでは終わらない(^^;;;;)。3種類の各パッケージの説明文の最終行に、何とも恐ろしい記述が。

ジャケットサイズカード封入(5種からランダムで1枚)

「ランダムで」
って何とも露骨過ぎ(爆笑)。5種類揃うまで延々と複数枚数買い続けるファンが絶対出てくるはず。

全種類を揃えて、なおかつその「ジャケットサイズカード」を5種類全て揃えるまでに、一体いくらカネを使わせようというのか・・・

というわけで、もうどこまでカネを吸い取るつもりなのか、という感じで、しかも韓国から来ている、という事で、日本人(彼らのファン以外)にとっては、何だか彼らが日本を「金儲けの場所」としてしか考えてないのでは?なんていう、悪い印象を持たれてしまいそうである。

が、実は彼らにはそうせざるを得ない事情もある様で。
どうやら、彼らの母国韓国のCD市場の悲惨さは日本の比ではないらしいのである。下の記事。

冷え込む音楽業界、売上トップも20万枚に届かず(聯合ニュース・韓国 1/15)

年間売上No.1のアルバムが20万枚を切った、とのこと。こんなのを見ると、日本でCDが売れない、売れない、と騒いでいる状況が何だか可愛らしく見えてきてしまう(^^;;;;;;;;)。
何だかんだで、日本では今もミリオン売ったアルバムは毎年2,3枚は出て来てるし。昨年はエロエロとミスチル、そして今年も既に早くもEXILEとコブクロの2枚のアルバムがミリオンを突破している。(まぁシングル市場は悲惨だが)
向こうでは、もうアーティスト側が「CDはもう出さない」という流れに向いてしまっている様で、業界自体が傾いている、という見方すら出来そうな状況。

そんな中で彼らも何とか生き延びていこうと必死なんですよ。ファンじゃない人も、暖かい目で見てあげましょう。
別に彼らのCDやDVDを買って助けてあげよう、とは思わんが(爆)。

彼らのファンの人は、先日のネタの通り、まだまだ3月までシングルのリリースラッシュが続くので、今後も頑張って、危機的状況の韓国音楽業界に寄付してあげて下さい(核爆)

2007.12.20

消耗品アイドル

今年の夏、ジャニーズとのシングル売上枚数の醜い争いを繰り広げた、韓流5人組アイドルグループの「東方神起」。
その後も相変わらず、毎月1枚くらいのペースでシングル・アルバム・DVDといった物をリリースしていっており、一体ファンは今年1年間に彼らのCDにいくらカネをつぎ込めばいいんだ、という感じである。
まぁ彼らの日本における所属レコード会社であるavexというところが、そういう社風の所なので仕方ないのだが(苦笑)

彼らの前には、8人組くらい(確か今年何人か人数が減ったはず)の"AAA"というユニットがいて、彼らもそれこそ「1月に1シングル」に近いリリースの頻度であった。

で、彼らは相変わらずこの12月も、本日(19日)にまた新曲のシングルをリリースしている。ここで私が常時おじゃましているある音楽系Blogの管理人さんが書かれていた気になる一言。

「ところで東方神起はこの後怒涛の勢いでシングルリリースが控えています。

これまでの1月1枚でも相当なハイペースだというのに、さらに「怒濤の勢いでリリース」???
気になったので、オリコンのWebサイトで検索し、彼らの今後のリリース予定表を見てみた。

見てはいけないもの
を見てしまった・・・

シングル「Together」 (2007年12月19日 発売) ・・・2種類 「本日発売」
シングル「Purple Line」 (
2008年01月16日 発売)・・・2種類
アルバム「未定」 (
2008年01月23日 発売)・・・3種類
シングル「未定」(
2008年02月06日 発売)
シングル「未定」(
2008年02月13日 発売)
シングル「未定」(
2008年02月27日 発売)
シングル「未定」(
2008年03月05日 発売)
シングル「未定」(
2008年03月12日 発売)

いくらなんでもこれは出し過ぎ
やろ、常識的に言って(^^;;;;;;;;)

さらに笑えるのが、このリリースラッシュが3月半ばで終わる予定ってこと。
今年も3月に決算対策でベスト盤が乱発されたが、ここからも、
年度末までに回収出来るものは回収出来る場所から徹底的に搾り取る
という、年度末決算に向けてのavexの経営戦略が垣間見える(ww

さて、その「搾り取られ先」であるところの「回収出来る場所」としてのファンだが、果たしてこの来年3/12まで全部付いていく人達ってどの程度いるんでしょうか??
何だか、同じ韓流タレントのニュースで、先日紹介したヨン様のドラマの映画館上映ネタを思い出した・・・こっちも最後まで付いていくのが大変な気がするので(^^;;)

2007.09.28

アルバムチャートの思わぬ伏兵

さて、最近は全般的に売上げ不振の続くオリコンのCDチャート 先週発売の浜あゆのシングルは週間1位にはなったものの何と7万枚しか売れず。その前週のエロエロも6万枚、avexの2枚看板にしては寂しい数字。
今週は、アルバムの方で同じavex組の大塚愛のオリジナルアルバムが1位になりそうだが、前作のベスト盤より相当枚数は落としそう、という予測が立てられている。初動は20万枚程度か、との予想。先週のwill i amとか、今週のFoo Fightersあたりの洋楽アルバムがトップ10に入る、というのは、早い話がそれだけ相対的に邦楽がだらしないということ。

・・・で、その中で、今週のデイリーを思いっきり引っかき回しているアルバムが1枚ある。
初登場の火曜日付でデイリー18位、そして翌日の水曜日付(正式発売日)で何と大きく順位を上げてデイリー5位になったそのアルバムとは、これ。↓

虎キチ”道上アナCDが快挙18位(スポニチ)

関西ローカルのABCラジオ「おはようパーソナリティ道上洋三です」の道上アナウンサーが番組30周年記念にリリースしたアルバムが何と発売2日目で全国5位である(ww

何でも、30周年記念に大坂城ホールで行った公開放送には、何とリスナー12000人が集まったとか。
わしは仕事の為に生まれ育った関西を離れて10年になるが、その後もずーっと、病気も克服しながら、今でも番組を続ける道上アナには素直に頭が下がります。
阪神の勝った翌日の六甲おろしはもはや風物詩。ここ1週間くらいはご無沙汰かと思うが(爆)

でもはっきり言って、関西に住んだ事のない人がこのチャートを見ると「誰これ??」とか思う事は間違いない(w
それにしてもこんなに売れるとはさすがに予想外だったやろーな、売る側にしても。
ただCDが実際売れている地域は物凄く限定されてる気はするが(^^;;;;;;;;)
あ、でも関西以外の地域でもAmazonからなら買えますよ。ご興味があれば(w。
(一応左のCD紹介にリンク作っておきます)

それにしても、こういう超伏兵みたいなCDが時々オリコンチャートの上位に予想外に出現すると、ネットにたむろするチャートマニアが揃って戸惑う姿が目に浮かぶ様で面白い。

2007.09.11

今週9/12発売の注目曲

今週、実際店頭には9/11の火曜日に並ぶシングル発売曲は結構面白い面々。

まぁチャートの1位はどーせKinKi Kidsなのでもうそっちの「チャートの順位争い」の方はどーでも良い。実は同時にエロエロも今週発売で、昨年2組の白熱したシングルチャート争いをしていたのがもう懐かしく感じるこの頃。ほぼ人気ピークを過ぎた感のあるエロエロが今の状況でキンキにガチで勝てるとはとても考えられず。

他、平井堅の「どう考えたって売れ筋路線をあえて外した」曲とか(個人的には好きだが)、他色々と中堅どころの人気の歌手が結構出している様である。

ただその中で個人的注目は、先日のサマソニでも見た、アキバ系ヲタに人気のアイドルグループPerfumeの新曲「ポリリズム」
サマソニのステージでも歌っていたが、その時はショートバージョンの、公共広告機構のCMに出て来たサビの部分が中心の、たわいもないアレンジ。
ところが、先日ラジオで初めてフルバージョンを聴いてかなり衝撃を受けた。
特に衝撃を受けるのは声入りの「間奏」の部分。

とりあえずこのPVでその間奏の部分を確かめて欲しい。曲のタイトルの意味が分かる(w

ちなみにYouTubeにはわざわざ分析する人まで現れた(ww

プロデューサーの中田ヤスタカ氏は今年他にも鈴木亜美のシングル曲をプロデュースしていたり、結構精力的に活動している様であるが、こういう「万人受け」を一切排した、音楽の方向性重視のアイドルグループって最近他にほとんどいない気がする。
そういう意味ではかなり貴重な存在だと思う。
本当は今までみたいに特に爆発的にブレイクせず、「知ってる人は知ってて追っかけてるよ」という感じで、ファン層を絞った売り方をして、今後も細く長く続けて頂きたいところだが、何となく今回ACのCM曲に取りあげられた、というところで、ひょっとして一気に名が広まってしまうかもね(^^;;)

そのうちMステとかに呼ばれんかなぁ。その際は是非フルバージョンで歌って欲しい。多分世間に衝撃を与えるから(w

2007.08.22

8/27付週間オリコンチャート

今週のオリコン週間チャートの速報が入ってました。
上位3位はシングル・アルバムとも新作品です。

・シングル
1位・・・小田和正「こころ」4.8万枚
2位・・・TOKIO「本日、未熟者/Over Drive」(中島みゆきプロデュース)4.5万枚
3位・・・槇原敬之「GREEN DAYS」3.0万枚

・アルバム
1位・・・徳永英明「VOCALIST 3」11.6万枚
2位・・・ZARD「Soffio di vento 〜Best of IZUMI SAKAI Selection〜」8.9万枚
3位・・・ZARD「Brezza di mare 〜dedicated to IZUMI SAKAI〜」8.7万枚


・・・・・・・・・あのー、今って2007年でしたよね、確か。もう1990年代って過ぎてますよね(ww

まぁ共通して言えるのは、もう20年くらいやっているベテランの方々にも関わらず、見た目があまり老けていないという事か。(ZARDの坂井泉水も生前老けていなかったと言えば老けていなかったと思う)
小田和正なんてあと1ヶ月で還暦なのに声が全然変わらんのはすごいと思う(頭は元々若白髪だったが)

まぁ最近の人気のある歌手のリリースの穴場週だった、という事かも知れんが、1年に1回くらいこういうマッタリしたチャートの結果の週があっても良いかな、という感じ(w
今週はバカみたいな枚数稼ぎをしてくる連中がいなかったのもこういう平和な結果となった一因かと。

来週も桑田佳祐とかが出してくるらしい。ずっとこんな感じで流れんかなぁ。まぁまたジャニーズやらavexやらソニーやらの枚数売れてる割には「誰これ?」感が永遠に抜けない方々に浸食されちゃうんでしょうけど・・・

2007.08.09

今週もまた出て来た(苦笑)

先日まで3回に渡って実態をお届けした、ジャニーズとavexとのシングルCDオリコンチャート1位を争う、CD売上枚数稼ぎの醜い争い。

今週はまたジャニーズが出しているとはいうものの、特にそれにケンカをふっかける事務所も無い様で、チャート自体は何とか落ち着きそう。
と思っていたが・・・

今週も出て来ました(w。露骨なCD売上枚数稼ぎ攻撃。

つい2,3週前にシングル出して6位に入って周りを驚かせた、秋元康率いるアキバを地元とするアイドル集団・AKB48。
彼女らが今週またシングルを出したのだが、そこで(実は前回のシングルでも同じ事をやっていたらしいのだが)地元アキバで「発売記念握手会」を行うらしい。
またまたリンク先から抜粋。

−−−−−−

2007年8月8日発売のシングル「僕の太陽」(DFCL-1384)をお買い上げ頂いた方 を対象に下記の要領にて一部のメンバーによる握手会を実施します。
何卒振るってのご参加宜しくお願い致します。
各回の握手会参加メンバーにつきましては、8月5日20時までに情報UPをいたします。

(スケジュールは後述)

【注意事項】
・・・関連部分抜粋

・ 対象商品店頭販売開始時より握手会対象のCDを購入のお客様へイベント参加券を配布いたします。当日、店頭スタッフの指示に従ってください。

※参加券は数に限りがありますので、ご了承下さい。
・イベント当日は会場でも追加のCD販売を行う予定ですが、数量に限りがありますのでご入場いただけない場合がありますことをご了承ください。また、事前販売で 参加券の配布が終了した場合は、当日会場でのCD販売を行いませんのでご了承ください。
・CDを購入の方は、そのまま握手会の会場に入場いただきます。
複数回の握手をご希望の方は、列の最後尾に再びお並びいただくことになります。
・メンバーのスケジュールの都合上、握手会の時間に制限があります。購入の列にお並びいただいても、CD購入、及び握手会への参加ができない場合がございます。また、参加券をお持ちのお客様がいる場合でも予定の時間になりましたらイベント終了となりますのでご注意ください。
握手会は1回につき、参加メンバーの中からお選びいただいた1名のみと握手できます。参加メンバー全員と握手できるわけではございませんので、予めご了承ください。
・いかなる機材による写真撮影、動画撮影、録音行為は禁止します。
(撮影補助機材の使用も禁止いたします)
・プレゼント・ファンレター等をメンバーに手渡しすることは禁止します。
・握手会はスタッフの指示により誘導させて頂く事をご了承願います。
・メンバーに対し、握手以外の行為は禁止します。
・握手会参加券や、CD購入整理券は再発行いたしません。紛失にはご注意下さい。

−−−−−−

・・・前回のCDシングルが突然枚数を増やしているので、ようやく人気が広まってきたかとか何とかかんとか書いている人がいたが、そりゃ枚数稼げるやろ、こういう事してりゃ(苦笑)

いや、別に「CD購入者対象握手会」自体にケチ付けるわけではない。「握手会」自体は20年以上前の昔のアイドルでもレコード売るためにやってきている、特に珍しくもないイベントである。

ただもう1つ気になるのが、その「握手会」のスケジュールの設定の仕方である。

8月のスケジュール(AKB48のHPから)

いわゆる「フラゲ日」という、正式発売日(水曜)の前日、実際CDが店頭にならび始める火曜日(7日)から握手会開始。その後は、木曜日以降はメンバーを取っ替え引っ替え1日5回も実施(^^;;;;)。

すなわちメンバー全員と握手したい人がシングルCD何枚買えば良いかは想像が付くだろう(爆)

さらに、スケジュールが示す通り、握手会は日曜日(12日)までで完全終了。
オリコン週間チャートにカウントされるのは前週の日曜日までであり、月曜日以降の売上は次週のチャートに回る。どう考えても、初登場の週に売れるだけ売って、オリコンチャートで初登場上位に入るだけが目的で組まれた日程である(^^;;;;;;;;)

ちなみに、この3週間前に発売され、同じように握手会が開催された前作のシングル「BINGO!」の週間チャートを調べてみると、

初登場の週(7/30付)・・・6位 売上枚数21,830枚
その次の週(8/6付)・・・73 売上枚数1,688
(1週目→2週目における枚数低下率 92.3%)
2週目でどれだけ落としてるねん(爆)



・・・ホント、この人達、何してるんでしょうね(苦笑)

やっぱり日本の音楽業界がここまでひどくなってしまった最大の原因は、オリコンが未だに「CDの売上枚数」だけでチャートの順位を公表しているからだと思う。今時シングルはiTunesとか携帯の着うたフルとか、ダウンロードで済ましている人がかなりの部分を占めている。最低これは加えないと実際の世の中の人気に比例したチャートには絶対にならないと思う。
ダウンロードだと1人で10回も20回も行う、って人はまずほとんどいないはずだし(w

アメリカのビルボードなんかは、それに加えてFMとかでのオンエア率も評価に加えてランキングを発表していると聞く。これも重要だわな。FMラジオにリクエストする様なリスナーは、基本的に音楽自体が好きな人が多いと思うし。
(ちなみに、やはりアメリカはアメリカで、ここ数年でダウンロード販売等の影響もあり、シングルCDというもの自体の存在はもうほとんど無意味になっているそうである)

先日、そのビルボードが日本にもこの夏から進出するなんて話を聞いた。そちらが真っ当なチャートを発表する様になれば、音楽の人気度を示す指標がオリコンから一気にそっちに傾いてしまう、なんて事もひょっとしてあるかもよ?オリコンがここまでひどい状況なら。

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