SUMMER SONIC 2014に行ってきました。(8/16〜17)
今年は去年と比べて全般的に面子が地味なせいかなかなかソールドアウトの通知が出て来なかった(最終的に幕張2日券とソニマニしかソールドアウトせず)、というわけで行く事を決めたのは開催2週間前、という状況だったんですが、結局今年も何だかんだで2日間行って参りました。
今年はやはり去年より客が少ないせいなのか何なのか、フードコーナーでも店舗とベンチの配置が去年と変えられていてベンチの数が減らされていたり、結構会場全般に空きスペースが多い感じはしましたが、話によると日本だけじゃなくて今年はどこのフェスもアーティストの確保は大変だという話も。幕張でこうだと大阪はもっと大変だろうなぁという印象。
というわけで今回は結構数回れたのでそれぞれ手短に。
・Childhood
朝一番どれもちょっとピンと来なかったのだがロキノンのJAPAN JAMにも呼ばれていたらしいこのバンドをTOKIOの前に何曲か。2,3曲「おっ」と言わせる曲はあったので今後伸びてくる素質はバンドとしては十分あると思ったけど、ちょっとボーカルが雑だった印象。
・TOKIO
予想通りの大混雑で入場規制かかるんでは、という状態で後ろの真ん中のちょうど機材でステージが生で見づらい場所からモニター頼りに見たが、純粋にパフォーマンスが素晴らしい。”宙船”→”ANBITIOUS JAPAN!”の入りでしっかり客を掴んで長瀬のMCもロックフェスらしく煽り主体、最後にデビュー曲”LOVE YOU ONLY”で締めるというセトリも「良くフェス分かってんなぁ」と感心する内容だし、演奏力も中途半端なロックバンドとは比べ物にならないレベル。今の音楽業界の状況考えるとジャニーズやアイドル業界とこういうロックフェス業界が融合していく流れになるのは必然だと思うが、ジャニーズとしてトップバッターでロックフェスに乗り込む形としては完璧だと思いました。
・Sky Ferreira
曲ちゃんと聴いてないけど前評判高かったんで見てみた。色々キャラが言われてるけどアメリカの音楽エンタメ界でトップクラスに来る人は普通に基礎的な歌唱力がしっかり付いているのでそこは安心して聴ける。ただまぁ本人の現状のキャラだから仕方ないけど何かそっけな過ぎるというか何というか、あんまり自分を売ろう売ろうという「アメリカ人芸能人にありがちなガツガツ感」がないのは見てて戸惑う要素だったかな。
・BABYMETAL
何だかんだで「初めから最後まで全部」見たことがないんだが去年は初めだけ、今年は初め以外全て見れたのでまぁこれで良い。海外のフェスでこなれてきて、3人ともはっきり自分達のステージに自信が付いてきているのが良く分かるライブ。しかし、何かスーちゃんこれまでよりさらに歌上手くなってきてないか。BABYMETALはこれはこれで続けて並行してソロで純粋にポップス歌わせてみても間違いなく並み以上の歌手になりますよ彼女は。
・浜田麻里
「圧巻」以外の言葉が見つからず。もうしつこいくらいに彼女の音量音域を限界ギリギリまでフルレンジに使ったパフォーマンスの連発。多分マイクなくてもマリンの2階席やマウンテンの後ろまで響いていくぞ、あの声量だと。
90年代に大人気になった後もしっかりボーカリストとしての活動を中断せず続けてきた人の強みというか。明らかに全盛期よりパワーアップしていると思った。
それにしても2014年なんて年になってから、この人の”Return to myself”を本人のライブで聴ける、なんて事実が20年前に想像出来たか、と思うとしみじみ。
YouTubeは彼女の高音の声量が特に発揮されるこれを。
・Superfly
浜田麻里の後はマリンに移動してロバート・プラントから見ようと思ってたが、着いたときにこの人のライブがまだ少し続いていたので3曲ほど。昔他のフェスでライブは見ていてこの人の歌唱力は分かっているので安心して見ていられたが、浜田麻里の直後ではこの人の声量ですらあまり大きさを感じない(苦笑)。20年後30年後にこの人もあぁいう風に現役続けてさらに声量パワーアップしていれば良いなと思いながら見ていた。
・Robert Plant
いきなりツェッペリンの"Babe I'm Gonna Leave You"から入ったが、全般的に今のこの人のソロオリジナル曲主体。合間に”Black Dog"とか、締めは”Whole Lotta Love"だったけどその締めもオリジナルのアフリカ民族音楽っぽいリズムのフレーズを混ぜたアレンジで、「昔の自分だけでは売らない」意図をひしひしと感じる。
とにかく数日後66歳、というのは見た目通りなんだけど、ただ立ってるだけであの存在感はやはり凄まじい。歌唱力も全く衰え無し。
ちなみにライブ開始当初は雨が残っていたが、ライブ中にどんどん晴れて、たまたまこの曲の時には空に虹が架かっていました。
・Arctic Monkeys
7年前に「若手バンド」の立場でサマソニのヘッドライナーに大抜擢された時も少し見ていて以来だが、もう今では普通にUKはじめどの国でも大型フェスではヘッドライナーを務める大物バンド。MCもほとんどないし、曲をただ淡々と続けるタイプのライブなのは変わらないが、それでいてあそこまでカッコいいのは何でなんだろう、というのを色々考えながら見ていたんだが、どの曲にも彼らの色(決してもの凄く斬新、というわけでもなく、ベースはごくオーソドックスなロックサウンドだが)がしっかり出ていて「バンド」としてしっかり筋が通っている、それがデビュー当時からほとんどブレていない、てあたりがひとつの要因なのかな。アレックス・ターナーの髪型はリーゼントに変わったけど。
・矢野顕子
去年と同様土曜日のヘッドライナー終了後はシーサイドガーデンに移動して締めのライブを見る。以前ロッキンで見たピアノ弾き語り(あの時は故・レイハラカミとのコラボもやっていた)とは違ってバンド形式でのライブ。ライブ自体もMCも相変わらず自由で面白い。物販の宣伝がてら出て来た「森下仁丹ののど飴」のエピソードが面白かった。ちなみに下記の伊勢丹のテーマソングの前の御本人の情報によると、幕張から一番近い伊勢丹は松戸らしい(笑)
2日目はオープニングアクトから参加。
・パスピエ
もう立場的にオープニングアクトなんかに出すレベルのバンドじゃないよなぁ、と思っていたらやはりマウンテンステージがオープニングアクトとは思えないほど後ろまで客で埋まっていた。演奏も「いわゆる若手バンド」とはかけ離れたレベルの完成度だし。しかしライブ映像とかでも気になっていたがボーカルの大胡田なつき嬢の顔をカメラでしっかりピント合わせて全面で画面に映す事を徹底的に避けるってのは相変わらず変わらないんだな。
・Timeflies
2人組のNY出身のラップユニット。ただ曲にはOwl Cityっぽい軽めのポップスな要素が取り入れられていて、(恐らく彼らのライブでは定番なんだろうが)その場で与えられた日本語の言葉で即興でラップする(それをYouTubeにアップするのが定番らしい)、てなコーナーもあったりして、ライブを盛り上げる工夫が色々あったのはさすがあっちの国の人って感じ。
・A Great Big World
今日楽しみにしていた一組だが、やはり曲がどれもこれも多幸感にあふれていて素晴らしい。代表曲”Say Something”ではクリスティーナ・アギレラのパート担当でゲストボーカルとしてMay J.が登場してきたが、歌詞にちらほら日本語訳を入れるサービスも。大阪では大雨による機材トラブルでまともにライブが出来なかったそうだがこちらは快晴でしっかり出来て良かったですね。
・Charli XCX
バックバンドは女子オンリーのスリーピースでご本人は大暴れなパフォーマンス。最初から最後まで、とにかく楽しくてアガりっぱなしになれるライブ。前日のSky Ferreiraとはキャラが対照的でこちらはとにかく分かり易く客を煽ってガンガン踊らせるタイプ。恐らく日本でウケるのは間違いなくこっちだろうな。数年前に大ヒットしたIcona Popとのコラボ曲(I Love It)もやってくれたが、個人的には締めにやった最新のシングル曲”Boom Clap”が結構好き。ところでこの人一応UK出身だけど、多分顔つき見る限り中東系の血ですよね。
・Robert Glasper Experiment
サマソニの昼間のマウンテンステージでこういう一流のジャズバンドのライブが見れる、というのもなかなかない機会。裏のきゃりーぱみゅぱみゅ(ソニックステージで入場規制発生)と被っていたのでそれほど客は多くなかったが、いかにも大型フェス向けに考えられたセットという感じでスタンディングで聴いていても楽しかった。Daftpunkの”Get Lucky”もやってくれた。
YouTubeにはなぜかライブ丸ごとの長時間のものが多くて、今回のライブに構成的に近い映像としてはこれかな。
・森高千里 with tofubeats
森高千里(45)TVで見てもだが生で見てもやはりあの可愛らしさは反則レベル。青いワンピース姿で脚も全然細いし、それで「私がオバさんになっても」歌われりゃもう参りましたとしか言い様がない(笑)。後半はtofubeatsの曲中心だが、その前にやった「ストレス」のアレンジが狂いすぎていて素晴らしかった。今回は裏方的な立ち位置だったけどtofu君(森高嬢がMCで彼の事をそう呼んでいた)もなかなか良い曲作りますね。
・Ben Watt with Bernard Butler
Everything But the Girlもあんまり知らないし、ほとんど予備知識なしで聴いたが、大音量なロックが大半のこういう大型夏フェスの中でこういう「喧噪から離れたゆったりしたギターソング」をしんみり聴くのってホントに良いなぁ、と。全般的に聴いてすごく気に入ったので、アルバムちゃんと聴いてみようと思った。
この時点でずっと立ちっぱなしでかなり疲れたので、次の時間はパスして最後のKraftwerkだけに絞りこもうと思ったが、一応姿くらいは見ようとマリンに移動してQueen+Adam Rambertを最初の4,5曲ほど見た。アダム・ランバート、高音の響きは素晴らしいと思うし今フレディの代わりのボーカルとしては確かに一番適任なのかも。最後まで見た人はネット上で絶賛の嵐だったが、やはりみんなQueen大好きなんだな。
・Kraftwerk
朝から会場で配布していた3Dメガネで真ん中のモニターの3D画像を見ながらのライブ。いきなり”Robots"から始まって、その後も過去の有名な作品ほとんど勢揃いという感じで、何だかこれまでの活動の総括的な内容のセット。”Radio-Activity"も例の福島の事故以降やっている日本語を取り入れたバージョン(曲の前にラルフ氏から日本語で「坂本さんのご快復をお祈り致します」というメッセージもあり)。でもこの人達ってもう活動44周年だというのに、こんなに古くささの欠片もないどころか未だに先進的な要素すらあるって、ある意味奇跡的なのでは。
というわけで、何だかんだで行けば色々楽しめます。フェスというものは。
だんだん座る場所のないフェスに2日間というのもつらくなってきたので、来年以降行くならプラチナチケットにでもしようかとも考え中。