Summer Sonic 2016に行ってきました
今年も半分惰性ながら懲りずに行って参りました。
今年の目玉は何と言っても日曜日ヘッドライナーのRadioheadであり、珍しくアルバム全部持ってるくらいのバンドでもあるのでまぁ観に行かない選択肢はほぼなかった訳ですが、その代わり土曜日が若干弱く思える面子だと思っていたら、案の定今年のチケットの売れ行きはというと2日券と日曜日1日券はソールドアウト、土曜日は当日券が出るという状況で分かり易い状況でした。まぁ2日とも行った訳ですけど。
まず土曜日1日目から見た順に。今回はなるべく最近の日本のミュージシャンの有力どころの方々のライブを率先して見ようと思ってたので以下の様な感じになりました。
・水曜日のカンパネラ
オープニングいきなりモニターにポケモンGOのトランセルをゲットする画面が現れ、コムアイ嬢トランセルの被り物っぽいコスチュームでモンスターボールに入って登場、その後もでっかいお花の上に乗ったり最後の「桃太郎」ではまた透明なボールの中に入ってアリーナの客の頭上を転がりながら退場、という、マリンステージ1発目からなかなかの見せ場。曲もキャラクターも徹底的にサブカルな方向に振れまくっていて、こういう方向でぶれずに突っ走るのであれば今後も結構長く人気してそうな気がする。普通に美人だし。
・ゲスの極み乙女。
まぁ色々ありましてステージ上では特に目立ったMCもなく粛々と有名どころな曲をこなしていた感のある川谷君。新曲では、ほないこかちゃんがドラムを離れて前に出て(代わりにIndigo la Endのドラムの人がサポート)川谷君とツインボーカルの形になるんだが、ソロで歌わせると意外に歌うまくて、もうツインボーカルのバンドでやっていってもえぇんじゃないか、とか思ったり。
何だかんだあってもやっぱり曲のオリジナリティはここ最近のバンドでは抜けてると思いましたよ。
・星野源
個人的にそんなに曲にはまっている訳でもないんだがまぁお勉強の意味も兼ねてこの人のライブを。さすがにマリンステージのアリーナほぼ一杯になっていた。結局こういう路線が今のJ-POPの王道路線なのかな、て感じ。
ただ、バックバンドが結構アコースティックな楽器や金管楽器が多くて、こういう構成だとマリンステージのスタンドにいるとちょっと音がこもれ気味割れ気味になってしまうのが気になったので、もう少しちゃんとした音響のホールで聴くタイプの音楽だな、とは思った。
・Weezer
もう理屈抜きに聴いていて楽しい。この人達の曲はどの曲聴いても「Weezerの曲」としか言いようのない曲ばかりで、本人達もそれをそのまま楽しんでやってる感じなのが良い。
途中なぜか小学校くらいの女の子がキーボード弾いてた曲があったんだが、後から聞くとリヴァースの娘さんだったらしい。
なお、途中で期待通りMONOEYESで会場に来ていたスコット・マーフィーさん飛び入りし、今年の新曲の"California Kids"を日本語歌詞で「スコット&リヴァース」バージョンでの披露。(尚、その後のレインボーステージでのMONOEYESのライブでは逆にリヴァースが飛び入りしたらしい)
締めは"Buddy Holly"できっちりと。
・Fergie
2007年初めて行ったサマソニでのBlack Eyed Peasのライブ中も何曲かソロ曲やってたが、それ以来見る。さすがに9年前よりはちょっと体型がふくよかになられた感じであの頃の様なステージ上でのアクロバティックな動きは無し。(あの時は側転しながら歌ってたりしたもんなぁ)
前半は新曲含めたソロ曲やってたが、何だかんだで最後に10分以上ノンストップでのBlack Eyed Peasメドレー祭りでさんざん盛り上げる形。つーかBlack Eyed Peas早く活動再開して下さい。
・Pentatonix
この日一番見たかったライブで相当期待して行ったが、その期待をはるかに上回る、もう人間技と思えないレベルの超絶アカペラパフォーマンス。
何がいいって、5人のメンバーが「男性ボーカル」「女性ボーカル」「男性だけど完全に女性ボーカルな音域のメインボーカル」「もう地声から完全にコントラバス音域のベースボーカル」「普通にメインでも歌えるスキルもあるけど超絶テクなリズム担当の黒人ボーカル」という、歌唱も見た目も何一つ5人の間に被るものがないってのが最高。
日本でのライブということで、先日ネットで公開されていたPerfumeメドレーも当然披露。サマソニでは、毎年一組は「次ワンマンあったら観に行く」と思わせるライブがあるもんだが、今回の候補は間違いなくこの人達。
・The Offspring
締めは2007年サマソニ(あの時も同じくマウンテンステージのトリ)以来のオフスプで。確かにデクスターさんも見た目太ったし年も取ってはいるものの、ライブパフォーマンスに関しては全く衰えを感じさせない。前に行くと間違いなく死ぬと思ったので後ろの方から見ていたが、前列の方では当然ながら延々と最初から最後までダイブの嵐状態。Weezerとはもちろん方向性は全く違うが「理屈抜きに楽しい」という点では変わらない。
日曜日2日目。
・ゴールデンボンバー
見たことなかったので社会見学&話のネタに観に行ったが、1曲目いきなりTMR西川さんのHOT LIMITを例の黒のバンテージに見せたガムテープのコスチューム(但し樽美酒だけは股間隠してるだけでほぼ全裸)でいきなりつかみにかかり、キャン様のもろこし早食い(その後の曲中に歯間に詰まったカスをほじくっているところまでがセット)とか、曲中ドラムセットと樽美酒のイスの間に縮こまって座って手拍子している樽美酒のお父さんとか、今までサマソニの一般のステージで見た中では最低のライブ(もちろん褒め言葉)。
なお、初めてライブを見て個人的に一番印象的だったのは、キリショーさん完全に開き直って曲前に「では次の曲”再生”お願いします」とか言うてる点。
・MØ
北欧デンマークの歌姫、というところでBjorkっぽいぶっ飛んだキャラクター&楽曲を若干想像していたら、聞いてみたら結構ど真ん中なポップソングが多く、本人のコスチュームも派手派手さもなく結構軽装。
ライブパフォーマンスは歌唱力に関しては一級品だし、アメリカでもUKでもない独自性もちゃんとパフォーマンスの中に持っている人だなという印象。
・Blossoms
新人バンドでUKチャート1位、を売りに事前からかなり名前が出て来ていたバンドなので観に行ったが、サマソニでソニックステージの前半に出て来るUKの若手バンド「あるある」のガイドラインに良くも悪くもぴったりはまってきてる感じで、ライブは1曲1曲の演奏に必死になってるがために「ライブのセット全体を客と盛り上げる」までの余裕はない感じ。まぁフロントマンは長髪イケメンだし、チャート1位もアイドル人気的な要素があったりするのかな。
曲自体悪くはないのでもう少しライブ慣れすれば、て感じかな。過去にこういう形で1回来たきりで終わってるバンド実際結構あるんだけど。
・METAFIVE
ソニックステージ超満員入場規制。まぁ、この面子が揃って出す音が良くない訳はないんだが、さすがにどの曲もそれぞれ個性的でクオリティ高いのは間違いなし。ちょっとこの時間で尺が短いのもあってセット全体の構成というか締めのあたりが若干中途半端な印象もあったけど、幸宏さんがライブ後にツイッターで「ワールドハピネスではトリなのでもっと長い尺でしっかりやります」的なこと言われてたんで、そっちのセットを見るともっと印象が変わったりするのかも。
・The Yellow Monkey
メッセからマリンに移動するとギリギリ最初の曲始まってすぐくらいのタイミングでスタンド入りしたのだが、その時ステージにはバンドの演奏する前に吉井さんおらず、なんと由紀さおり御本人が登場して「夜明けのスキャット」を歌っており、一瞬「あれ、何観に来たんだっけ」と戸惑った(笑)。その後吉井さん登場でデュエット披露。
その後はもうとにかく過去の名曲連発の完全ベストアルバムなセットで盛り上がらないわけがない。吉井さん自体は4年前のサマソニでもソロでマリンでやってたくらいで、ボーカリストとしてはずっと一線級バリバリなのもあり、歌唱力の衰えの無さも半端ないし、とにかくこの人の歌は「はっきり日本語がきれいに聞こえる」点ではベテラン勢含めたロックバンドの中でも断トツの存在と思う。
MCで吉井さんが語っていた、彼がロンドンでストーンズ結成50周年のライブを観て、その姿を見て思う所あってメンバー全員にメールを打って再結成が実現したっていうエピソードはいい話。
・サカナクション
ステージに和太鼓が大量に並ぶ中、相変わらず1曲目は真ん中に5人整列しての「ミュージック」からスタート(今回は全員の前にMacBookはなかったが)。マリンのトリ前ということで曲数もたっぷりやり、後半「夜の踊り子」では他のフェスでも登場したらしい着物姿の踊り子さん登場、その後の「SAKANATRIBE」で後ろに準備していた和太鼓ようやく出番で、踊り子さんも残ってもはやサカナクションのライブというよりは某スポーツイベントの開会式や閉会式なんかでも成立しそうなど派手なパフォーマンス。
サカナクションのライブは3年前のソニックマニア以来だが、観るたびに色んなパターンでハイクオリティなライブを見せてくれるし、この世代のロックバンドの中では完全に頭ひとつ抜けた存在に思える。Radioheadの前でライブ出来る日本のバンドは確かに彼らくらいしかいないかも。
・Radiohead
元々ライブの尺がこのバンド1組に2時間ってだけでも大概だが、その2時間フルに詰め込んでなんとトータル23曲という、もうワンマン1つ観に行ったくらいの圧巻の内容。
ライブの初め5曲は先日リリースされた新譜”A Moon Shaped Pool”の最初の方に入っている5曲を曲順通りに固めて、その後は新譜の他の曲も交えつつ、過去の名曲選りすぐりな感じのセット。
もちろん今回ライブで観るのは初めてなんだが、CD音源とライブが良い意味でほとんど変わらないのは驚きであった。どの曲も構成自体がみんな揃ってそうだという事なのかも知れないけど、どの曲ももう精密機械の様にブレのないライブ演奏なのが大変印象的。
一度ステージからはけてから、戻ってきて「体裁上」のアンコールに入っても、そこから6曲。そのちょうど真ん中辺りで2003年の「あのライブ」に続いて今回も”Creep”をやってくれた。あ
の”Creep”のイントロが聞こえた瞬間のスタジアム内の大歓声と、その後の全フレーズ場内大合唱をその場で体験出来たというのは、やはりこれからも
ずっと自慢話に出来る、そういう瞬間ではあった。
あと「イントロで歓声」という点ではもちろん”No Surprises”も負けないレベル。
ちなみに曲の合間の時間、特にMCもほとんどないんだけど、トム・ヨークの自由な発言や立ち居振る舞いは結構可愛らしかった(笑)
今年は土曜日は雨降ったり止んだりだった(ただしマリンではほとんどのステージでなぜかライブの時間だけ晴れ間がのぞくケースが多かった)が、日曜日は一転晴れてくれたし、ライブ自体も期待以上のものが結構多かったし、今年も楽しめました。来年も多分行きます。