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芸能・アイドル

2016.08.25

Summer Sonic 2016に行ってきました

今年も半分惰性ながら懲りずに行って参りました。

今年の目玉は何と言っても日曜日ヘッドライナーのRadioheadであり、珍しくアルバム全部持ってるくらいのバンドでもあるのでまぁ観に行かない選択肢はほぼなかった訳ですが、その代わり土曜日が若干弱く思える面子だと思っていたら、案の定今年のチケットの売れ行きはというと2日券と日曜日1日券はソールドアウト、土曜日は当日券が出るという状況で分かり易い状況でした。まぁ2日とも行った訳ですけど。

まず土曜日1日目から見た順に。今回はなるべく最近の日本のミュージシャンの有力どころの方々のライブを率先して見ようと思ってたので以下の様な感じになりました。

水曜日のカンパネラ
オープニングいきなりモニターにポケモンGOのトランセルをゲットする画面が現れ、コムアイ嬢トランセルの被り物っぽいコスチュームでモンスターボールに入って登場、その後もでっかいお花の上に乗ったり最後の「桃太郎」ではまた透明なボールの中に入ってアリーナの客の頭上を転がりながら退場、という、マリンステージ1発目からなかなかの見せ場。曲もキャラクターも徹底的にサブカルな方向に振れまくっていて、こういう方向でぶれずに突っ走るのであれば今後も結構長く人気してそうな気がする。普通に美人だし。

ゲスの極み乙女。
まぁ色々ありましてステージ上では特に目立ったMCもなく粛々と有名どころな曲をこなしていた感のある川谷君。新曲では、ほないこかちゃんがドラムを離れて前に出て(代わりにIndigo la Endのドラムの人がサポート)川谷君とツインボーカルの形になるんだが、ソロで歌わせると意外に歌うまくて、もうツインボーカルのバンドでやっていってもえぇんじゃないか、とか思ったり。
何だかんだあってもやっぱり曲のオリジナリティはここ最近のバンドでは抜けてると思いましたよ。

星野源
個人的にそんなに曲にはまっている訳でもないんだがまぁお勉強の意味も兼ねてこの人のライブを。さすがにマリンステージのアリーナほぼ一杯になっていた。結局こういう路線が今のJ-POPの王道路線なのかな、て感じ。
ただ、バックバンドが結構アコースティックな楽器や金管楽器が多くて、こういう構成だとマリンステージのスタンドにいるとちょっと音がこもれ気味割れ気味になってしまうのが気になったので、もう少しちゃんとした音響のホールで聴くタイプの音楽だな、とは思った。

Weezer
もう理屈抜きに聴いていて楽しい。この人達の曲はどの曲聴いても「Weezerの曲」としか言いようのない曲ばかりで、本人達もそれをそのまま楽しんでやってる感じなのが良い。
途中なぜか小学校くらいの女の子がキーボード弾いてた曲があったんだが、後から聞くとリヴァースの娘さんだったらしい。
なお、途中で期待通りMONOEYESで会場に来ていたスコット・マーフィーさん飛び入りし、今年の新曲の"California Kids"を日本語歌詞で「スコット&リヴァース」バージョンでの披露。(尚、その後のレインボーステージでのMONOEYESのライブでは逆にリヴァースが飛び入りしたらしい)
締めは"Buddy Holly"できっちりと。

Fergie
2007年初めて行ったサマソニでのBlack Eyed Peasのライブ中も何曲かソロ曲やってたが、それ以来見る。さすがに9年前よりはちょっと体型がふくよかになられた感じであの頃の様なステージ上でのアクロバティックな動きは無し。(あの時は側転しながら歌ってたりしたもんなぁ)
前半は新曲含めたソロ曲やってたが、何だかんだで最後に10分以上ノンストップでのBlack Eyed Peasメドレー祭りでさんざん盛り上げる形。つーかBlack Eyed Peas早く活動再開して下さい。

Pentatonix
この日一番見たかったライブで相当期待して行ったが、その期待をはるかに上回る、もう人間技と思えないレベルの超絶アカペラパフォーマンス。
何がいいって、5人のメンバーが「男性ボーカル」「女性ボーカル」「男性だけど完全に女性ボーカルな音域のメインボーカル」「もう地声から完全にコントラバス音域のベースボーカル」「普通にメインでも歌えるスキルもあるけど超絶テクなリズム担当の黒人ボーカル」という、歌唱も見た目も何一つ5人の間に被るものがないってのが最高。
日本でのライブということで、先日ネットで公開されていたPerfumeメドレーも当然披露。サマソニでは、毎年一組は「次ワンマンあったら観に行く」と思わせるライブがあるもんだが、今回の候補は間違いなくこの人達。

The Offspring
締めは2007年サマソニ(あの時も同じくマウンテンステージのトリ)以来のオフスプで。確かにデクスターさんも見た目太ったし年も取ってはいるものの、ライブパフォーマンスに関しては全く衰えを感じさせない。前に行くと間違いなく死ぬと思ったので後ろの方から見ていたが、前列の方では当然ながら延々と最初から最後までダイブの嵐状態。Weezerとはもちろん方向性は全く違うが「理屈抜きに楽しい」という点では変わらない。

日曜日2日目。

ゴールデンボンバー
見たことなかったので社会見学&話のネタに観に行ったが、1曲目いきなりTMR西川さんのHOT LIMITを例の黒のバンテージに見せたガムテープのコスチューム(但し樽美酒だけは股間隠してるだけでほぼ全裸)でいきなりつかみにかかり、キャン様のもろこし早食い(その後の曲中に歯間に詰まったカスをほじくっているところまでがセット)とか、曲中ドラムセットと樽美酒のイスの間に縮こまって座って手拍子している樽美酒のお父さんとか、今までサマソニの一般のステージで見た中では最低のライブ(もちろん褒め言葉)。
なお、初めてライブを見て個人的に一番印象的だったのは、キリショーさん完全に開き直って曲前に「では次の曲”再生”お願いします」とか言うてる点。


北欧デンマークの歌姫、というところでBjorkっぽいぶっ飛んだキャラクター&楽曲を若干想像していたら、聞いてみたら結構ど真ん中なポップソングが多く、本人のコスチュームも派手派手さもなく結構軽装。
ライブパフォーマンスは歌唱力に関しては一級品だし、アメリカでもUKでもない独自性もちゃんとパフォーマンスの中に持っている人だなという印象。

Blossoms
新人バンドでUKチャート1位、を売りに事前からかなり名前が出て来ていたバンドなので観に行ったが、サマソニでソニックステージの前半に出て来るUKの若手バンド「あるある」のガイドラインに良くも悪くもぴったりはまってきてる感じで、ライブは1曲1曲の演奏に必死になってるがために「ライブのセット全体を客と盛り上げる」までの余裕はない感じ。まぁフロントマンは長髪イケメンだし、チャート1位もアイドル人気的な要素があったりするのかな。
曲自体悪くはないのでもう少しライブ慣れすれば、て感じかな。過去にこういう形で1回来たきりで終わってるバンド実際結構あるんだけど。

METAFIVE
ソニックステージ超満員入場規制。まぁ、この面子が揃って出す音が良くない訳はないんだが、さすがにどの曲もそれぞれ個性的でクオリティ高いのは間違いなし。ちょっとこの時間で尺が短いのもあってセット全体の構成というか締めのあたりが若干中途半端な印象もあったけど、幸宏さんがライブ後にツイッターで「ワールドハピネスではトリなのでもっと長い尺でしっかりやります」的なこと言われてたんで、そっちのセットを見るともっと印象が変わったりするのかも。

The Yellow Monkey
メッセからマリンに移動するとギリギリ最初の曲始まってすぐくらいのタイミングでスタンド入りしたのだが、その時ステージにはバンドの演奏する前に吉井さんおらず、なんと由紀さおり御本人が登場して「夜明けのスキャット」を歌っており、一瞬「あれ、何観に来たんだっけ」と戸惑った(笑)。その後吉井さん登場でデュエット披露。
その後はもうとにかく過去の名曲連発の完全ベストアルバムなセットで盛り上がらないわけがない。吉井さん自体は4年前のサマソニでもソロでマリンでやってたくらいで、ボーカリストとしてはずっと一線級バリバリなのもあり、歌唱力の衰えの無さも半端ないし、とにかくこの人の歌は「はっきり日本語がきれいに聞こえる」点ではベテラン勢含めたロックバンドの中でも断トツの存在と思う。
MCで吉井さんが語っていた、彼がロンドンでストーンズ結成50周年のライブを観て、その姿を見て思う所あってメンバー全員にメールを打って再結成が実現したっていうエピソードはいい話。

サカナクション
ステージに和太鼓が大量に並ぶ中、相変わらず1曲目は真ん中に5人整列しての「ミュージック」からスタート(今回は全員の前にMacBookはなかったが)。マリンのトリ前ということで曲数もたっぷりやり、後半「夜の踊り子」では他のフェスでも登場したらしい着物姿の踊り子さん登場、その後の「SAKANATRIBE」で後ろに準備していた和太鼓ようやく出番で、踊り子さんも残ってもはやサカナクションのライブというよりは某スポーツイベントの開会式や閉会式なんかでも成立しそうなど派手なパフォーマンス。
サカナクションのライブは3年前のソニックマニア以来だが、観るたびに色んなパターンでハイクオリティなライブを見せてくれるし、この世代のロックバンドの中では完全に頭ひとつ抜けた存在に思える。Radioheadの前でライブ出来る日本のバンドは確かに彼らくらいしかいないかも。

Radiohead
元々ライブの尺がこのバンド1組に2時間ってだけでも大概だが、その2時間フルに詰め込んでなんとトータル23曲という、もうワンマン1つ観に行ったくらいの圧巻の内容。
ライブの初め5曲は先日リリースされた新譜”A Moon Shaped Pool”の最初の方に入っている5曲を曲順通りに固めて、その後は新譜の他の曲も交えつつ、過去の名曲選りすぐりな感じのセット。
もちろん今回ライブで観るのは初めてなんだが、CD音源とライブが良い意味でほとんど変わらないのは驚きであった。どの曲も構成自体がみんな揃ってそうだという事なのかも知れないけど、どの曲ももう精密機械の様にブレのないライブ演奏なのが大変印象的。
一度ステージからはけてから、戻ってきて「体裁上」のアンコールに入っても、そこから6曲。そのちょうど真ん中辺りで2003年の「あのライブ」に続いて今回も”Creep”をやってくれた。あ の”Creep”のイントロが聞こえた瞬間のスタジアム内の大歓声と、その後の全フレーズ場内大合唱をその場で体験出来たというのは、やはりこれからも ずっと自慢話に出来る、そういう瞬間ではあった。
あと「イントロで歓声」という点ではもちろん”No Surprises”も負けないレベル。
ちなみに曲の合間の時間、特にMCもほとんどないんだけど、トム・ヨークの自由な発言や立ち居振る舞いは結構可愛らしかった(笑)

今年は土曜日は雨降ったり止んだりだった(ただしマリンではほとんどのステージでなぜかライブの時間だけ晴れ間がのぞくケースが多かった)が、日曜日は一転晴れてくれたし、ライブ自体も期待以上のものが結構多かったし、今年も楽しめました。来年も多分行きます。

2015.08.18

Summer Sonic 2015に行ってきました

というわけで、今年も行ってきましたサマソニ。

2年前に面子的に行かざるを得なかったのでソニマニからフル参戦して以降、さすがに金曜夜徹夜から日曜までオールは体力的に無理だと感じたので(笑)、昨年以降は基本的には土日のみの参加(睡眠時間確保のために土曜日の深夜も基本はパス)としておりますが、今年も同様で。

ソニマニのThe Prodigyとか土曜深夜のThom Yorkeとかも見たい気はあったのだがまぁそこはトータルで判断。

では土曜日から見た順に

Wolf Alice・・・まだデビューアルバム出たばかりの新人バンドだが、確かに紹介にもあった通り色んなジャンルの影響を受けつつ曲ごとにそれぞれのジャンルへの影響をきっちり見せている感じで、初見のバンドにありがちな「何聴いても同じに聞こえる」感が全くないのが面白かった。こういう形からだんだん自分達のカラーを固めて行けば面白いバンドになるんじゃないかと思う。

Slaves・・・一方でこちらは同じ新人バンドでもコテコテのパンク。2人組で一人がGorB、一人がDr/Voという変わった編成だが、2人で出している音とは思えないほど音はしっかりしているし、キャラクターもとても良い意味でバカっぽい。見た目も楽しめるライブ。

Marmozets・・・女性ボーカルのラウドロックバンドだがボーカルの姐さんの声量(シャウト含め)がとにかくインパクト大。ギターも自ら客席に飛び込んでリフトされたりしてたが。あのボーカルに対抗出来る日本人女性シンガーとなると浜田麻里とか寺田恵子くらいしか思い浮かばない

Circa Waves・・・最初は休憩時間にあてるつもりがソニックステージの後ろを通り過ぎると聴いてて面白かったので結局最後まで見た。昨年に続いて2年連続で出演、というのは1年目のライブの評判が良かった証拠だが(過去にもTwo Door Cinema ClubとかMutemathあたりがそんな感じで2年連続出ていた)、脳天気でキャッチーな曲ばかりでずっと聴いてて楽しいライブ。でもあぁいう曲こそ、実は演奏の精度の高さが求められる様な気もしていて、その点でもブレがなくレベル高いなと。

Babymetal・・・これまでフェスで4回見ているけどフルセット見たのがようやく今回のサマソニが初めて(まぁ去年も最初の数分以外ほとんど全部見たが)。この4年であれだけ国回ってライブこなしたら当然完成度は高くなるだろう、という期待を全く裏切らない完成度の高さ。SU-METALのあの完全な自信に裏付けられた目(厳しい表情の時よりもむしろ笑顔の表情の時)が全てを物語ってるというか。Babymetalのライブってサプライズ的な要素を一切排除した構成だが、その中でもちゃんと毎年ひとつひとつの挙動がアップデートされているのが毎年見てると分かるのが面白い。

Ariana Grande・・・まぁ今回のフェスの一番の期待はこれだったのだが(笑)、大体アメリカのトップシンガーはAlicia Keysを始めとして「夏フェスなんかに持ってくるとどうなんだろう」という期待を良い意味で裏切ってくれるのだが、この人はむしろ期待していた通りのそのまんまの物を持って来てくれた。いきなり1曲目からこのコスチュームで出て来て”Bang Bang”のソロパートをJessie Jのパート含めて1人で全部あの声量で聴かせられて、ほぼそれだけで満足。個人的には最初の期待が大きすぎた2009年のBeyoncé以上の内容。

曲が終わって真ん中のひな壇の所に下がってこっち見る表情がいちいち可愛らしすぎるし、それでいてどの曲どの曲もあの歌唱力ぶつけられたら「参りました」としか言いようがない。

日本のavexあたりにいるディーヴァな人達が、トップクラスの人も含めて歌唱の面で世界標準に対して決定的に足りないものが何かってのは、アリアナのライブで1曲聴けば誰にでも分かるよ。

The Chemical Brothers・・・マニックスをソニックステージで見るために前半30分ちょっとだけしか見ていないが、いきなり1曲目から”Hey Boy, Hey Girl”だったし、その後も”Do It Again”や新譜の”Go”含め有名どころはそこそこ聴けたのでまぁ満足。見なかった後半で色々ステージの仕掛けもあったらしいけど。

2日目のZeddの盛り上がりも半端なかったが、今回のサマソニ見ていてもEDMの台頭結構著しい感じは間違いなくあって、その流れで今年サマソニがヘッドライナーに彼らを持ってくるってのは分かるな、と改めて。

Manic Street Preachers・・・事前に「Performing “THE HOLY BIBLE”」という副題があった通り、欧州で限定的に行われていた20年前の名盤の完全再現ライブを日本でもやった形のもの。となると映像やらでこのアルバムを最後に失踪したリッチーを意識させる様な演出なんてあるのかとも思っていたら、ジェームズのMCで「残念ながらここにリッチーがいないけど」的な事をちらっと触れられた以外は至って普通の、何の余計な飾りもない「今のマニックスのライブ」を完全にやり切っていた感じで、彼らの強さを感じましたね、逆に。The Holy Bible全曲後にYou Love UsやA Design For Lifeなど名曲4曲続けて、最後はMotorcycle Emptinessで 終了。2007年のサマソニで見た時にも感じたがとにかくボーカル筆頭にライブでも演奏の安定っぷりが半端なく、ライブでも聴いてて安心出来るバンド。

日曜日

あゆみくりかまき・・・会場到着後に時間が空いたのでオープニングアクトから見てみたが、最近sakusakuで準レギュラーぽい感じで出ているのは何度か見たがライブはもちろん初めて。持ち曲はどれもアゲアゲな「ももクロスタイル」ですね。何か見た目から想像する以上のパワーだった。クリマンがここでこのアイドルグループをあえてサマソニのオープニングアクトの、しかも一番大きいマウンテンに抜擢した理由が何となく分かった。

Smallpools・・・事前予備知識ゼロで見たが、いかにもアメリカ西海岸ぽい、明るいポップな曲ばかりでとっても楽しいライブ。Owl City的でもあるけどもっとリズミカルでバンドの要素が強い感じかな。ソニックステージのトップバッターだけど客も結構多く、近いうちにまた呼ばれるんじゃないかと思われるバンド。

Generations (from EXILE Tribe)・・・社会見学がてら後ろの方から。何しろあぁいう「EXILEなるもののフレーム」のステージを見るのは全くこれまで経験がなかったのでそういう点ではなかなか面白かった。あぁいう「ボーカルとダンスのメンバーを完全に別枠にして徹底的に役割を専門化させて絶対にシャッフルしない」フレームってのは考え方によってはすごく合理的ですよね(別に皮肉ではない)

Man With A Mission・・・3年くらい前に一度チラ見はしたがフルセット見るのは今日が初めて。見た目は色モノでも実際のライブの中身はかなり安定していて相当な実力派だし、曲のクオリティも結構高い。一方でMCで結構「酷暑の中での被り物被っての出演」を自虐的にネタにする辺りは結構ユーモアもあって(ちなみに最初のサマソニの出演場所はビーチステージだったらしくさすがにキツかったらしい(笑))。

あと、ステージのモニターにアップで映る際になるべく中の人が間違って映らない様な配慮か、オオカミの顔の口の部分を極力フレームインさせない(鼻から上の部分だけを映す)様気を遣っているのが良く分かった。

Sheppard・・・オーストラリアのポップなバンド。男女ツインボーカルの両方ともなかなかうまいし、ベースが金髪な女の子っていうのも個人的にはポイント高い(笑)。ラストに演奏したシングル曲”Geronimo”は確かにUKじゃ絶対ないし西海岸サウンドとも微妙に違う、こういうのがいかにもオーストラリアなサウンドって事なのかな。

Cast・・・元La’sのメンバーが結成したバンドなのは曲に流れるギターサウンドを耳にすれば納得する。正直ちょっと疲れが出始めていた時間なので端っこの方でほとんど座って聴いていたのだが、まぁそれが出来る程度の客の入りだったということで。曲自体は飛び抜けてこれってのはないんだけどさすがにベテランだけあって安定している感じ。

それにしても今回のサマソニはこういう世代の洋楽バンドが少ないなぁ。

今年のサマソニのソニックステージは土曜日はUKサウンド主体、日曜日はポップなバンド主体とコンセプトが明確。

Zedd・・・この日の楽しみのひとつ。さすがにアリーナで飛び回る元気などないのでスタンド後方からマターリ眺める形ではあるが、ヘッドライナーのファレルまで凌いで当日のマリンの最高の入りだったらしく、アリーナ後方までぎっしり詰まった客が一斉にジャンプする様は壮観。スタンドでも何組か一緒にジャンプしている姿も見かけたりして。Chemical Brothersのところでも触れたが、今の音楽界隈のトレンドはやっぱりEDMなのかなぁと。冷静にあのノリをノンストップで1時間テンションを保たせるのって相当なレベルの物が必要だと思う。実はあぁいうEDMのライブって(ZEDDに限らず一般論として)結構ワンパターンな展開の繰り返しなので、アリーナでジャンプしているうちはまだしも、あぁいうライブをスタンドで座って見てるとヘタすると眠くなってくるんだが。あと個人的に気になったのはステージに一人いる御本人が何か到底ミュージシャンぽくない普通のチェックの長袖シャツ姿だったこと(笑)

郷ひろみ・・・今年10月で還暦ですよ皆さん。信じられますか。ひたすらアゲまくりの曲やり切ったあげくに最後にステージ端から端までダッシュで2往復するんですよ。もうあれは人間じゃなくてどっかの異星人か良く分からない別の生き物のレベル。還暦イヤーで複数の夏フェスに出演という企画の一環でのサマソニ初出演だったらしいが、代表曲など選ぶのに困るくらいにあふれる程手持ちの曲がある中で45分7曲のステージのセトリにこんなのを持ってくるってのはさすがに40年以上日本の芸能界のトップに座ってきたキャリアの賜物ですね。普段のコンサートと違う年齢層の「名前だけは知っている」客層がこの限られた時間で自分に何を求めているのかを完璧に分析しているのが良く分かる。色々と感銘を受けた。

Clean Bandit・・・インストの正式メンバー以外にゲスト女性ボーカルを3人連れてのライブだが、そのメインボーカルに立ってた黒人の女性歌手がとにかく目立ってて、知らん人が見たら勘違いしそうになる感じだったが、ライブは想像していた以上にダンサブルでこの日見たソニックステージのポップなバンドのライブの中でもトップレベルの楽しさ。メンバーがみんなクラシックな楽器以外に色々こなせるってのもポイント高い。締めには日本で撮影したPVが話題になった”Rather Be”のサビ会場大合唱。ソニックの客エリアほぼビッシリ満員で結構日本にもファン多いんだなと驚いた。一度ちゃんと音源で聴こう。

D'Angelo and the Vanguards・・・スケジュール的に移動が厳しくなるのであえてファレルをパスして締めはマウンテンステージのディアンジェロ一本に絞り込み。実際のところそんなにアルバムも聴いていたわけでもないが、いざライブを見るとこれがまぁ正に「次元が違う」の一言。大体アメリカのトップクラスのミュージシャンのバンドがサマソニに来るとそのバンドメンバー1人1人、隅々のクオリティの高さに毎度驚かされるわけだが、今回のこのライブはそれの究極というか、アメリカのR&B・ブラックミュージックのトップの極みはこういうものかというものを見せ付けられた感。 一人一人の楽器の演奏技術も大概なのだが(特にドラムやベースは超絶テク)、何よりすごいのは、結構ライブの中でディアンジェロが突然演奏を止めて客をいじったり不安定に見える挙動を示すんだが(「に見える」が重要)、それにパーフェクトに回りのバンドが合わせて何事も無いように演奏を続けていること。ブレている様でそのブレひとつですら完全に綿密にコントロールされ尽くしている、あぁいうのがトップクラスのプロのステージなんだと思う。

アンコール、”How does it feel”のメロディーと共にバックのメンバーが1人1人スポットライトを浴びながらステージを去って行き、最後にディアンジェロ一人残されてそこでまたピアノ弾き語りで歌うあたりで「唯一無二の空気・次元の違い」の感覚は頂点に達していた。

あぁいう「部屋の中でいくらアルバムを聴いていても分からないライブの凄まじさ」をサマソニのライブで感じたのは、個人的にはSigur Rosの時以来だな。20年ぶりの来日ライブだったらしいがワンマンでまた来てくれたりはしないのかね、という印象。

ちょっと最後の日の最後のD’Angeloが大部分を持っていった感じの印象もありますが、全般的に今年もなかなか良いものを見させて頂きました。

来年も楽しみにしてます。

2014.08.19

SUMMER SONIC 2014に行ってきました。(8/16〜17)

今年は去年と比べて全般的に面子が地味なせいかなかなかソールドアウトの通知が出て来なかった(最終的に幕張2日券とソニマニしかソールドアウトせず)、というわけで行く事を決めたのは開催2週間前、という状況だったんですが、結局今年も何だかんだで2日間行って参りました。

今年はやはり去年より客が少ないせいなのか何なのか、フードコーナーでも店舗とベンチの配置が去年と変えられていてベンチの数が減らされていたり、結構会場全般に空きスペースが多い感じはしましたが、話によると日本だけじゃなくて今年はどこのフェスもアーティストの確保は大変だという話も。幕張でこうだと大阪はもっと大変だろうなぁという印象。

というわけで今回は結構数回れたのでそれぞれ手短に。

・Childhood
朝一番どれもちょっとピンと来なかったのだがロキノンのJAPAN JAMにも呼ばれていたらしいこのバンドをTOKIOの前に何曲か。2,3曲「おっ」と言わせる曲はあったので今後伸びてくる素質はバンドとしては十分あると思ったけど、ちょっとボーカルが雑だった印象。

・TOKIO
予想通りの大混雑で入場規制かかるんでは、という状態で後ろの真ん中のちょうど機材でステージが生で見づらい場所からモニター頼りに見たが、純粋にパフォーマンスが素晴らしい。”宙船”→”ANBITIOUS JAPAN!”の入りでしっかり客を掴んで長瀬のMCもロックフェスらしく煽り主体、最後にデビュー曲”LOVE YOU ONLY”で締めるというセトリも「良くフェス分かってんなぁ」と感心する内容だし、演奏力も中途半端なロックバンドとは比べ物にならないレベル。今の音楽業界の状況考えるとジャニーズやアイドル業界とこういうロックフェス業界が融合していく流れになるのは必然だと思うが、ジャニーズとしてトップバッターでロックフェスに乗り込む形としては完璧だと思いました。

・Sky Ferreira
曲ちゃんと聴いてないけど前評判高かったんで見てみた。色々キャラが言われてるけどアメリカの音楽エンタメ界でトップクラスに来る人は普通に基礎的な歌唱力がしっかり付いているのでそこは安心して聴ける。ただまぁ本人の現状のキャラだから仕方ないけど何かそっけな過ぎるというか何というか、あんまり自分を売ろう売ろうという「アメリカ人芸能人にありがちなガツガツ感」がないのは見てて戸惑う要素だったかな。



・BABYMETAL
何だかんだで「初めから最後まで全部」見たことがないんだが去年は初めだけ、今年は初め以外全て見れたのでまぁこれで良い。海外のフェスでこなれてきて、3人ともはっきり自分達のステージに自信が付いてきているのが良く分かるライブ。しかし、何かスーちゃんこれまでよりさらに歌上手くなってきてないか。BABYMETALはこれはこれで続けて並行してソロで純粋にポップス歌わせてみても間違いなく並み以上の歌手になりますよ彼女は。



・浜田麻里
「圧巻」以外の言葉が見つからず。もうしつこいくらいに彼女の音量音域を限界ギリギリまでフルレンジに使ったパフォーマンスの連発。多分マイクなくてもマリンの2階席やマウンテンの後ろまで響いていくぞ、あの声量だと。
90年代に大人気になった後もしっかりボーカリストとしての活動を中断せず続けてきた人の強みというか。明らかに全盛期よりパワーアップしていると思った。
それにしても2014年なんて年になってから、この人の”Return to myself”を本人のライブで聴ける、なんて事実が20年前に想像出来たか、と思うとしみじみ。
YouTubeは彼女の高音の声量が特に発揮されるこれを。



・Superfly
浜田麻里の後はマリンに移動してロバート・プラントから見ようと思ってたが、着いたときにこの人のライブがまだ少し続いていたので3曲ほど。昔他のフェスでライブは見ていてこの人の歌唱力は分かっているので安心して見ていられたが、浜田麻里の直後ではこの人の声量ですらあまり大きさを感じない(苦笑)。20年後30年後にこの人もあぁいう風に現役続けてさらに声量パワーアップしていれば良いなと思いながら見ていた。



・Robert Plant
いきなりツェッペリンの"Babe I'm Gonna Leave You"から入ったが、全般的に今のこの人のソロオリジナル曲主体。合間に”Black Dog"とか、締めは”Whole Lotta Love"だったけどその締めもオリジナルのアフリカ民族音楽っぽいリズムのフレーズを混ぜたアレンジで、「昔の自分だけでは売らない」意図をひしひしと感じる。
とにかく数日後66歳、というのは見た目通りなんだけど、ただ立ってるだけであの存在感はやはり凄まじい。歌唱力も全く衰え無し。
ちなみにライブ開始当初は雨が残っていたが、ライブ中にどんどん晴れて、たまたまこの曲の時には空に虹が架かっていました。



・Arctic Monkeys
7年前に「若手バンド」の立場でサマソニのヘッドライナーに大抜擢された時も少し見ていて以来だが、もう今では普通にUKはじめどの国でも大型フェスではヘッドライナーを務める大物バンド。MCもほとんどないし、曲をただ淡々と続けるタイプのライブなのは変わらないが、それでいてあそこまでカッコいいのは何でなんだろう、というのを色々考えながら見ていたんだが、どの曲にも彼らの色(決してもの凄く斬新、というわけでもなく、ベースはごくオーソドックスなロックサウンドだが)がしっかり出ていて「バンド」としてしっかり筋が通っている、それがデビュー当時からほとんどブレていない、てあたりがひとつの要因なのかな。アレックス・ターナーの髪型はリーゼントに変わったけど。



・矢野顕子
去年と同様土曜日のヘッドライナー終了後はシーサイドガーデンに移動して締めのライブを見る。以前ロッキンで見たピアノ弾き語り(あの時は故・レイハラカミとのコラボもやっていた)とは違ってバンド形式でのライブ。ライブ自体もMCも相変わらず自由で面白い。物販の宣伝がてら出て来た「森下仁丹ののど飴」のエピソードが面白かった。ちなみに下記の伊勢丹のテーマソングの前の御本人の情報によると、幕張から一番近い伊勢丹は松戸らしい(笑)



2日目はオープニングアクトから参加。

・パスピエ
もう立場的にオープニングアクトなんかに出すレベルのバンドじゃないよなぁ、と思っていたらやはりマウンテンステージがオープニングアクトとは思えないほど後ろまで客で埋まっていた。演奏も「いわゆる若手バンド」とはかけ離れたレベルの完成度だし。しかしライブ映像とかでも気になっていたがボーカルの大胡田なつき嬢の顔をカメラでしっかりピント合わせて全面で画面に映す事を徹底的に避けるってのは相変わらず変わらないんだな。



・Timeflies
2人組のNY出身のラップユニット。ただ曲にはOwl Cityっぽい軽めのポップスな要素が取り入れられていて、(恐らく彼らのライブでは定番なんだろうが)その場で与えられた日本語の言葉で即興でラップする(それをYouTubeにアップするのが定番らしい)、てなコーナーもあったりして、ライブを盛り上げる工夫が色々あったのはさすがあっちの国の人って感じ。



・A Great Big World
今日楽しみにしていた一組だが、やはり曲がどれもこれも多幸感にあふれていて素晴らしい。代表曲”Say Something”ではクリスティーナ・アギレラのパート担当でゲストボーカルとしてMay J.が登場してきたが、歌詞にちらほら日本語訳を入れるサービスも。大阪では大雨による機材トラブルでまともにライブが出来なかったそうだがこちらは快晴でしっかり出来て良かったですね。



・Charli XCX
バックバンドは女子オンリーのスリーピースでご本人は大暴れなパフォーマンス。最初から最後まで、とにかく楽しくてアガりっぱなしになれるライブ。前日のSky Ferreiraとはキャラが対照的でこちらはとにかく分かり易く客を煽ってガンガン踊らせるタイプ。恐らく日本でウケるのは間違いなくこっちだろうな。数年前に大ヒットしたIcona Popとのコラボ曲(I Love It)もやってくれたが、個人的には締めにやった最新のシングル曲”Boom Clap”が結構好き。ところでこの人一応UK出身だけど、多分顔つき見る限り中東系の血ですよね。



・Robert Glasper Experiment
サマソニの昼間のマウンテンステージでこういう一流のジャズバンドのライブが見れる、というのもなかなかない機会。裏のきゃりーぱみゅぱみゅ(ソニックステージで入場規制発生)と被っていたのでそれほど客は多くなかったが、いかにも大型フェス向けに考えられたセットという感じでスタンディングで聴いていても楽しかった。Daftpunkの”Get Lucky”もやってくれた。
YouTubeにはなぜかライブ丸ごとの長時間のものが多くて、今回のライブに構成的に近い映像としてはこれかな。



・森高千里 with tofubeats
森高千里(45)TVで見てもだが生で見てもやはりあの可愛らしさは反則レベル。青いワンピース姿で脚も全然細いし、それで「私がオバさんになっても」歌われりゃもう参りましたとしか言い様がない(笑)。後半はtofubeatsの曲中心だが、その前にやった「ストレス」のアレンジが狂いすぎていて素晴らしかった。今回は裏方的な立ち位置だったけどtofu君(森高嬢がMCで彼の事をそう呼んでいた)もなかなか良い曲作りますね。



・Ben Watt with Bernard Butler
Everything But the Girlもあんまり知らないし、ほとんど予備知識なしで聴いたが、大音量なロックが大半のこういう大型夏フェスの中でこういう「喧噪から離れたゆったりしたギターソング」をしんみり聴くのってホントに良いなぁ、と。全般的に聴いてすごく気に入ったので、アルバムちゃんと聴いてみようと思った。



この時点でずっと立ちっぱなしでかなり疲れたので、次の時間はパスして最後のKraftwerkだけに絞りこもうと思ったが、一応姿くらいは見ようとマリンに移動してQueen+Adam Rambertを最初の4,5曲ほど見た。アダム・ランバート、高音の響きは素晴らしいと思うし今フレディの代わりのボーカルとしては確かに一番適任なのかも。最後まで見た人はネット上で絶賛の嵐だったが、やはりみんなQueen大好きなんだな。

・Kraftwerk
朝から会場で配布していた3Dメガネで真ん中のモニターの3D画像を見ながらのライブ。いきなり”Robots"から始まって、その後も過去の有名な作品ほとんど勢揃いという感じで、何だかこれまでの活動の総括的な内容のセット。”Radio-Activity"も例の福島の事故以降やっている日本語を取り入れたバージョン(曲の前にラルフ氏から日本語で「坂本さんのご快復をお祈り致します」というメッセージもあり)。でもこの人達ってもう活動44周年だというのに、こんなに古くささの欠片もないどころか未だに先進的な要素すらあるって、ある意味奇跡的なのでは。



というわけで、何だかんだで行けば色々楽しめます。フェスというものは。
だんだん座る場所のないフェスに2日間というのもつらくなってきたので、来年以降行くならプラチナチケットにでもしようかとも考え中。

2014.07.28

フジロックフェスティバル(2014/7/26)に行ってきました。

てなわけで5年ぶりに1日だけ行って参りました。

今回久々に行って分かったことですが、フジロックはサマソニと比べると招致しているアーティストの方向性が明らかに年輩の音楽ファン志向であるにも関わらず会場の環境は宿泊施設・地理条件含めあきらかに年輩には厳しすぎる条件なので

・ホテルを予約出来ない限り年寄りには体力面で複数日参戦は厳しい

・雨具は当たり前として、長居するにはキャンプ用品の折りたたみイスは必須アイテム。とにかく座れる場所がほとんどないので

これは押さえておくべきですね。雨は5年前の経験ではそんなに気温低くもならんので雨具さえちゃんと着ておけばよっぽどの大嵐でも無い限りそんなに気にはならん。

まぁ今回行った土曜日は丸1日カンカン照りでしたが。

今回はラウドロック系はパスしてゆるふわマターリ系な人をあえて選定して見てみた。

まず朝イチは会場の一番奥のオレンジコートに中央アジア(ロシア国内)のホーメイの楽団(Huun Huur Tu)を途中まで見てその後グリーンステージへ。そこで3組続けて観る。

・ウルフルズ

活動再開後初の夏フェスかつフジロック初参戦とのこと。とにかくセトリがこの時間枠の中で考えられ得る最高な並びで。最後の「バンザイ」→「ええねん」の流れは最高だったな。

これまでのロッキン等含め、ライブ観たのは今回が初だが、あんだけ真っ直ぐで分かり易くてインパクト強い存在って実は絶妙のバランスで成り立っていて、この人達のフォロワーは出て来そうで出て来ない気がする。

・The Waterboys

結成31年目で初来日とのこと。特に事前に予習してきた訳でもなくぶっつけで観た。ちょうどこの時間にちょっと疲れが出て隅っこで座りながらぼーっとした頭で聴いていたので、特に後半はちゃんと聴けてないけど、代表曲”The Whole Of The Moon”を1曲目にやってくれたし、ベテランながらのクオリティの高さは感じ取れた。

・Travis

今回楽しみにしていたライブのひとつだったが、もう完全にこれまで色々フェスで見て来たライブの5本の指には入る素晴らしい内容。好きな曲みんなやってくれたし、何の曲取ってもこの人達の曲は聴いてる側を幸せな気分にさせますね。メンバーが全員ものすごく仲が良いのが観ていても分かるし。

2曲目の”Selfish Jean”とか中盤にやってくれた”My Eyes”が個人的には好きだが後半特に”Closer”から最後の”Why Does It Always Rain On Me?”までの流れは正に神展開でした。

その後フィールドオブヘブンに移動。

・The Lumineers

1日目はグリーンステージに出演して2日目はこのフィールドオブヘブンに登場。今年アメリカでは”Ho Hey”が大ヒットしていたが、個人的にはグリーンでじっくり聴くよりはヘブンの雰囲気で飲み食いしながら傍目にマターリ観るのがちょうど良い雰囲気に思えたし、バンドも会場の雰囲気に合わせてリラックスしてパフォーマンスしていた様に思えた。

日が暮れ始めた頃に隣のオレンジコートへ。

・Jake Shimabukuro

当然以前から名前だけは知っていたので興味半分で聴きに行ってみたがまぁ驚き。あのウクレレ早弾きはもはや変態の領域。日本の伝統的な曲を、と弾いた「さくら さくら」は完全にウクレレが日本のお琴と化していたし、別の曲ではウクレレから完全にエレキギターの音を出していたし、あそこまでくると逆に楽器がウクレレである必要性を感じないというか(良い意味で)。

・Arcade Fire

今回はほぼこれが主目的だったのでグリーンステージに再び移動。裏のホワイトのManic Street Preachersも大好きなので時間被ってなければ絶対観に行ってたのだがこれは仕方ない。(Manicsは2007年のサマソニでは観た)

CDは聴いていたがライブがどういうものかというのは噂でしか聞いていない状態で観たのだが、まぁ想像の遙か上の次元を行く内容で。曲ごとにメンバーが楽器を次々入れ替えるわ(特にレジーヌ嬢の「パーカッションでも鍵盤楽器でも演技でも何でもこなす」っぷりは凄まじい)、ドラマ仕立てな演出もあるわ、ハリボテの着ぐるみがなぜかYMO “Rydeen”のカバーで出て来るわ、最後の方にはど派手な紙吹雪と、確かに今のバンドの中ではエンターテイメント性という点では純粋にトップクラスなのは良く分かる内容。ラスト定番の”Wake Up”の場内全員大合唱での一体感は鳥肌モノ。

昨年サマソニでMuseを観て「3人なのにあの音の拡がり様が信じられない」という印象を持ったのだが、そういうレベルの音を出せるミュージシャンが3人から10人以上になって、さらに増えた人数分楽器の種類を増やして音を出したらどうなるか、というのが、このArcade Fireのライブを聴いての直感的な印象。

音楽自体もジャンルの区分け様がないというか、とにかくバラエティに富んでいて、いわゆる「オルタナティブロック」の究極の姿ですね、これは。

ライブ自体の雰囲気を少しでも知っていただく為に動画はPVではなく2007年のGlastonburyのラスト”Wake Up”を。

その後はウトウトしたりウロウロしたししつつ早朝まで現場に居着いて翌朝1番の電車で帰宅。このスケジュールではやはり1日が限界だな(苦笑)。

とにかく今回1日だけで、少なくとも自分がフェスで観たライブの5本の指に入るライブが2つ(TravisとArcade Fire)観られた、というだけで十分行った甲斐がありました。

さて、来月のサマソニは2日行くかどうしようか考え中だが、多分2日行きます。金曜晩のソニマニはさすがに体力的にパスする見込みですが。

2013.08.13

Summer Sonic/Sonic Mania 2013に行ってきました。(8/9〜11)

毎年恒例となったサマソニだが、今年はソニマニの面子が凄まじいので金曜日の夜通しから日曜日まで3日間フル参戦という、それだけでも体力が保つかどうか前々から不安になりそうな強行スケジュールでの参戦となりました。
もうこんな所で改めて書くまでもないが、土日はあの21世紀最高の猛暑で、とにかく外に居るだけで汗で服には潮が吹くわ、脚回りは汗疹だらけになるわでかなり過酷な環境でしたが、東京はまだ幕張メッセという空調付きの会場があるのでマシ。

3日間で長々となるが、それぞれ見て来たアーティストのおさらい。

◎金曜日 Sonic Mania

・Perfume
その前の日曜日では最終日のグラスの大トリでアンコール付き1時間以上のステージをやった5日後に今度は前夜祭トップの40分のステージでどういう内容で来るかと思ったら、やはりここ最近の曲中心な内容。昔の曲はポリリズムとチョコレイトディスコくらいか?
と にかく目立ったのは、屋内&夜間のライブを意識したビート最重要視な音のバランス。聴けばすぐ分かるレベルでロッキンの時の音とは全く違う。でも、自分は こんな音のPerfumeのライブをずっと待っていた。あの音でライブやれば彼女等を知らない外国人とかも目を向けてくれるんでは、とも。
ロッキンと色んな意味で方向性を変えてきてくれたのは希望していた通りというか。ロッキン後次のステップに行きます、感があったのは好印象。


・Pet Shop Boys

ダンサー含め奇抜な衣装の連発、3度の衣装替え、映像やレーザーとのコラボと相変わらずの完成度の高い楽曲との組合せにただただ圧倒。逆に今回彼らが東京のメッセのみでの出演になった理由も何となく分かるというか。この演出は屋内の会場でないと難しいと感じた。
もうとにかく30年前からヒットを飛ばしているアーティストがこの今の時代にも最先端でかつ「誰が聞いても彼らの曲と分かるメロディ」のハイレベルの楽曲を作り続けられているのが奇跡というか。
個 人的に一番印象に残ったのは、後半が”It's a sin”とか”Domino Dancing”とか”Go West”とか”Always On My Mind"といった往年のヒット曲連発の後にアンコールでやった2曲。まずかつてブレイクのきっかけになった”West End Girls”、その後最後の締めに最新アルバムからのシングル”Vocal”の組合せだったこと。
まさに上に書いた「30年前にヒット曲飛ばした人が、音楽性をキープしながら今の時代に未だに完全に最先端な曲を飛ばしている」姿の象徴に思えた。とにかく”Vocal”という曲、ライブであんだけビート効かせた音で聴くと死ぬほど格好いい。
結局日曜日のトリMUSEの後また最後の3曲だけ観に行って、このアンコールを再度おさらいしたほど。個人的には今回のサマソニでのベストアクトに挙げたい。




・The Stone Roses

昨年のフジ以来の日本でのライブか。正直 ファーストアルバムしかちゃんと聴けてない状態で臨んだが、まぁそれでも十分堪能出来た。1曲目の”I wanna be adored"でいきなりイアン・ブラウンがキーが合っておらず若干不安になったが、2曲目以降は一応それなりに立ち直って演奏もまとまってきてくれた。
ボーカル以外の(笑)楽器も曲のクオリティも、アルバム聴いて感じた通りの安定したレベルの高さ。一部では結局今年限りで再解散なんて噂も流れていたが、ステージ後に抱き合う4人を見て、これならもう少しの間続けてくれるんじゃないか、という期待感。


・サカナクション

AM3時になって、Stone Rosesあたりからはぼちぼち後方で沈没する客も出て来始めたところでの最後のステージ、いきなりメンバー5人が譜面台みたいな台にPC置いて最新アル バムの導入曲”INORI"を演奏する姿は、何かKraftwerkを意識した感じ。その後60分ほとんどMCなし、休憩もなしで一気にぶっ通しでの演 奏。良い意味での「やってくれました」感たっぷり。
サマソニみたいな場所でどこかの日本のバンドがこういうライブやってくれたら良いのにな、と以前から思っていたところ。個人的にはPerfumeにこういう「MCなし休憩なしでのぶっ通し」パフォーマンスやってくれるのも見てみたいのだが、本人達が保ちませんね、ハイ。

◎土曜日

ソニマニから朝6時頃にホテルに戻って10時前まで寝て11時くらいから会場入り。マリン脇の2日券のバンド交換所に並んでいるだけでも全身汗だく で、その先の入口ゲート右側にあるグッズ売場行列120分待ちに絶望したものの、ゲート左側のタワレコのブースで全く並ばずにタオル買えた。しかも700 円とオフィシャルグッズのタオルの半額以下。これはオススメ。
後から見たらそのタワレコの黄色いタオルを首に巻いている人も結構多かった気が。

その後マリンに行ってスタンドの屋根のある後方でVOLBEATの後半を見てからそのままその辺りでビールとソーセージ食いながらライブを見る。

・ONE OK ROCK
フェスではもうメインステージの常連になったバンド ではあるが実はライブを見るのは今回が初めて。噂に聞いていた通りボーカルのTaka(森進一と森昌子の息子ね)の歌唱力は高いし、曲もみんな格好いい。 年齢的にもいかにも「どんどんフェスでの演奏に慣れていっています」感を感じる、まだまだ伸びしろがありそうな印象。
ただ少し気になったのは、体型とかそういうのとはまた別の「線の細さ」かな。ホントにトップクラスに立ってるバンドには共通して見られる「重厚感」がまだまだ足りん感じ。それはこのすぐ後の人達を見て改めて確信したことでもある。




・マキシマム ザ ホルモン

マ ウンテンのJake Buggを見たい為に途中で抜けたが、2年ぶりでもMC含めてクオリティは安定して変わらない。「どっしり感」というか「重厚感」はやっぱり圧倒的に高い な、と。ワンオクの直後に見て尚更そう感じた。とにかくアリーナだけじゃなくてスタンドの1Fや2Fの後方までヘドバンさせた時のあのスタジアム内の光景 は壮観以外の何物でもない。
しかしあの超猛暑の真っ昼間のマリンであり、ナヲのMCでの「死なないで生きて帰れ」が妙なリアリティを持っていたのが何とも(苦笑)

ここからメッセに移動。マリンーメッセ間の移動は北側(マウンテン側)を出て屋根付きの陸橋を通って、川沿いの道から抜けていく方が、人も圧倒的に 少なくてスムーズに移動出来るのでオススメ。多分移動時間もこっちの方が短いんでは。シーサイドガーデンに行く場合でもこの道の途中から直接行ける。

・Jake Bugg
もう声が完全にボブ・ディランだなぁ、やはり。とにかくデビューしたばかりの今年19歳になった歌手って絶対嘘だろ、20年30年くらいキャリアあるでしょあなた、と思わせる様な異常なほどのライブの安定感。いや、お姿は明らかに年齢相応のイケメンなんですけど。
デビュー1年目でここまで完成し尽くした様なレベルのミュージシャンがポンと出て来るあたりが、やはりUKの音楽業界の裾野の広さなんだなぁ、とつくづく感じさせる。


・the HIATUS

前から見たいと思っていたバンドだが今回初めてフェスで見てみた。やっぱり今日本のミュージシャンの中でもパフォーマンスレベルの高い人達が集まっているだけあって、とにかくどの曲を取っても演奏の安定っぷりは他の日本のバンドと比べても相当高いレベル。曲についても完全に「このバンドならではの世界感」ってのがはっきり見て取れるものばかり。その一方で細美さんはエルレの頃から良い意味で変わっていないというか「若気の至り」的な部分をキャラクターに残したまま今に至ってる感じなのは、あれはあれでなかなかよろしいかと。


・MEW

当日突然決めて見に行った人達。正直立ち上がりは「普通のバンド」的 な印象を抱きつつ見ていたが、後半に行けば行くほどどんどんボーカルも楽器も調子が上がって来る様に思えて、最後は客側も含めてすごく一体感のある雰囲気 で良かった。まぁこの人達は過去にも何回か出ているが、たまにこういう「ライブ進めていくうちにどんどん良くなってくる」ライブってありますよね。

M.I.A.の前に最初の15分ほどレインボーステージのBABYMETALを観る  まぁ先週のロッキンでも少し観ていたのだが、今回は生バンドでやっぱりこっちの方がずっと迫力あるな。メタリカとかCheap Trickのメンバーにも気に入られていた様だが、個人的には今回日本の出演ミュージシャンで海外に一番紹介したいのはこのBABYMETALである。も うコンセプトから何からクレイジー過ぎで、絶対に欧米では発想出来ないものだと思うし、海外には絶対ウケまくると思うんだが。

・M.I.A.
個人的にはこの日一番のお目当て。アルバム”KALA"を初めて聴いてから6年ほど経ってようやくライブを見られるというので楽しみにしていた。
緑 の服にピンクのバスタオル?を頭に被りながらのステージ。元々暑い地域の人だが、何度か演奏中もステージ脇の扇風機にそのバスタオル被りながら貼り付いて いたからやっぱり相当暑かったのか(笑)。バックの画像といいダンサーのダンスといい曲といい、やはりトランス度相当高し。4度くらい客側に下りてきてい たのでかなりそばで御尊顔を拝する事が出来ました。もう40前になるらしいが、体型もルックスも全く衰えありませんな。
間もなく出る出るといいな がらちっとも出て来ない新譜”Mathangi”からの曲も何曲かあった様だが、個人的にはやはり前のアルバム”MAYA"の曲が盛り上がっていた印象。 例の放送禁止になったPVの”Born Free"なんかはやっぱり上がるな。あのイントロの変拍子のドラムの生演奏がかなり格好良かった。
とは言え、”Boyz"も”Paper Planes"もやってくれましたけど、まぁ特に後者は彼女には珍しいしっとり系な曲ですし。



マウンテンのCheap Trickがやってるのを遠目に見つつマリンに移動。

・METALLICA
この日の前半で、トップクラスのバンドにある「どっしり 感」「重厚感」について色々感じていたのだが、恐らく今そういう点で世界No.1なのは恐らく彼らと思われる。ただソニマニからの連続で昼過ぎからメッセ でずっと突っ立っていたのもあり、かなり体力消耗していたので途中で食い物補給しながらのライブ鑑賞。
見ていたのはスタンド1塁側(右側)の2階 席で、ちょっとこの場所だと(位置の問題で)音のズレとかが目立っていたのは残念だったが、まぁそれにしても「貫禄」という一語につきますな。特にラーズ のドラムはもう神レベル。あのレベルの2時間ぶっ通しライブをホントに明日大阪でもやるのか、と想像すると呆れるというか(笑)。どんなアラフィフだよ と。
”Enter Sandman"の「千代田生命に行こう」も”Blackened”の「バケツリレー 水よこせ」「アホでしょ バカでしょ ドラえもんでしょ」も聴けて満足です(ってそこかい



その後最後にシーサイドガーデンに移動

・山崎まさよし
メタリカが押していたのもあり、予定時間過ぎて入ってもまだ始まっておらず。マリンで締めの花火が上がってすぐにライブ開始。MCによるとやはり「花火が開始の合図」と言われていたとのこと。
も うこの時間になるとライブに集中するというよりは最後に酒飲みながら後ろの方で聴くって感じになったが、2曲目に「セロリ」のセルフカバーやってくれた し、やっぱりMCはおもろい。早口言葉のコール&レスポンスのコーナーがあったのだが、その最後の早口言葉が「きゃりーぱみゅぱみゅ三ぱみゅぱみゅ 合わ せて(以下略)」で、かつ本人もそれだけはまともに言えていなかったのには笑った。

◎日曜日

この日は9時過ぎの開場間際に行って、まず物販で昨日買えなかった分を若干買い足し。ただ2日目の朝の時点でタオルは残っていなかった(ソニマニのタオルだけ残っていたのでそっち買ったが)あれって一応土日それぞれで数キープしてるもんじゃないのかねぇ。

・ももいろクローバーZ
マウンテンの1発目だが開演20分前でほぼ開場満杯 どうやら入場規制もかかっていた模様。
いざ始まると5色のサイリウムが前から後ろまで全面的に振られて何か凄まじい光景。これ、海外のロックフェスじゃまず絶対観られない光景だわな。あのステージと客側の一体感、という点は、やっぱりアイドルならでは。
実はドイツ滞在時にドルトムントで開催された日本の文化紹介のイベントでの無料ライブも見たことがあるんだが、もちろんあの時と比べると全然規模が違う。日本での人気を改めて実感。
ステージはとにかく「ひたすらアゲまくる」内容 以前YouTubeで見たTIFでの「ココナツ」に衝撃を受けたが、時期もあって後半にこれもやってくれた。あと例の夏休みの宿題やってないって歌(ワニとシャンプー)もしっかり押さえるなど。
5人の中では一人異常なほどの大汗をかいているれにちゃんが印象的だった(笑)。で、締めの「労働讃歌」で最後にそのれにちゃんがビールビン頭でかち割って、5人黙って真ん中から消えていって終了、という、一瞬客側もあっけに取られる唐突な終わり方。
今回東京オンリーの出演だった様だが、メッセでも目の前を1人担がれていったし、これ今の時期に屋外でやると死者出てたぞ多分。


・Imagine Dragons

メジャーデビューアルバムが米国でバカ売れ しているバンドで何曲かアルバム聴いても良い感じだったので灼熱のマリンに見に行ってみたが、一番暑さが厳しい時間だからなのか、日本ではまだ積極的に セールスやってない(ワンマン含め今回が日本での初ライブ)というのもあってか、マリンはかなりガラガラ。アリーナは前の半分も埋まるか埋まらないか程 度。
ただステージは全般的にすごく良かった。ボーカルの歌唱力もあるし声質も自分の好み。曲もどれ聴いても出来が良いし(やはり”It's Time”は秀逸)、MCでもすごく謙虚で誠実な感じだし、日本でもちゃんとセールスやれば結構売れるのではないか、と思うんだが。もう少ししてからまた見に行きたいな。
締めの"Radioactive”の合間には、メンバー4人が全員でドラムや和太鼓のパーカッションを叩くシーンも。Mutemathが何年か前に、このマリンで見た時に近い様なパフォーマンスしていたな、と思い出した。


・Carly Rae Jepsen

やはりこの人もマウンテンはほぼ満杯。そ れにしてもアメリカ・カナダ方面の女性ポップス歌手やR&B歌手はサマソニに来るたびにいつも「アルバムとか聴いて想像していたよりも圧倒的に大 型フェスの会場向き」なステージで驚かされるケースが多いが(個人的にはAlicia Keysがその究極)、彼女もご多分に漏れずやはり大型ライブにきっちり適性を示してくれた感。
声は完全にこの後のCindy LauperやMadonna(特に初期の80年代の頃)の系列と全く同じ、伝統の「アメリカンポップス」声で、この辺りは天性のものなのかなと。
ファンサービスもたっぷりで、最後の締めの”Call me maybe"では客席の最前列にいる女性3人と男性1人をステージに上げ、本人は客席側に入り込んで行って、場を盛り上げる要素も一杯。
ルックスとか以上に「持ってるスター性」てのがあるなぁ、と。
個人的には2曲目にやったOwl Cityとのコラボ曲”Good Time"がこの季節にピッタリでアゲアゲで大好きです。


・Cindy Lauper

この人ももう還暦になるが、さすがに体型的にもおばちゃんになってきてるし、1曲目に客席に下りていったときに躓いて盛大にコケた時には一瞬血の気が引いたが(笑)、ライブそのものはさすがというか、「全身楽器」的な圧倒的声量の歌唱力には唸らされた。
今 回はやたらMCが長く、どうしても曲の前にその曲のエピソードを伝えたくて、長話になると舞台の袖から日本人の女性をむりやり連れてきて(多分本職の通訳 さんではない)通訳させるんだが、明らかにその女性が伝える日本語がちゃんと翻訳されているかどうかを疑っている表情「何かもっと簡単な事言ってるのに、 日本語長すぎない?」的なツッコミがむしろ話の内容より笑いを誘っていた。「おもろいおばはん」な雰囲気で和んだ。
大阪でやったらしいグーニーズは聴けなかったが、”Girls Just Want To Have Fun"や”Time After Time”や”She Bop”はきっちりやってくれたので良し。


・Earth, Wind & Fire

次のMUSEを最初から見た かったのと、全般的にマウンテンが15分とか20分押しだったので前半だけしか見ていなかったが、70年代からずっとこのレベルのクオリティのパフォーマ ンスを続けてきているとなるともう感服するしかない。1曲目いきなり"Boogie Wonderland”でかなりアガった。自分の居る間に”September"を聴けなかったのは残念だったけど。
というかもう人気ピークの頃から40年くらい経つのに、未だにあの高さのキーでまだ歌えるってあり得ないよね。
その後、最後の締め3曲が”Fantasy”→”September"→”Let's Groove"の怒濤の3連発だったという情報を入手し、これとMUSEを被らせるスケジュールを組んだ運営の罪はミスチル地蔵の誘発などとは比較にならないくらい重いと感じた(笑)


・MUSE

元々去年のサマソニ終了時点で「来年のヘッドライナーはMUSE希 望」とか書いてた訳で、まさに期待通りのヘッドライナーでもう行く前から楽しみでたまらなかったのだが、EW&Fのステージからの移動が開始ギリ ギリでアリーナの行列待ちしてたら入る直前に1曲目の”Supermacy”が始まってしまっていた。
それをマリンの壁の向こうから聴く形でようやくアリーナ入りしたらそこで始まった2曲目が”Supermassive Blackhole"、もうその時点で自分の中では神ライブ確定という感じで。
もちろん生音じゃない音を一杯使った曲も多いんですけど、改めて初めてライブを聴いて驚いたのは、一連の「ホントに3人で音出してる曲」の音の広がりの凄まじさ。これが3ピースとか反則だろ、と。
そう感じさせるのはやっぱりマシューの圧倒的な声量かな、とも。あの人の歌唱力はこういう純粋なロックバンドの中でも世界で5本の指に間違いなく入るんでは。
ロ ンドン五輪の開会式でも披露した”Survival”はライブで聴くとやはり予想通りの素晴らしさだったし、後半にあった新譜の最後に入っている”The 2nd Law: Unsustainable”ではステージに謎の超大型ハリボテロボットが出て来て耳から煙噴いて、曲が終わると黙って戻っていくのには笑った。
最 後の締めは”Knights Of Cydonia”、最後のコーラスのパートと同時にマリンの外では花火が上がって締めの空気としては最高。ただ一方で「何だもうこれ以上アンコール無いの か」と若干がっかりした一面もあったが。ちなみに自分がサマソニで体験した同じ終わり方(最後の曲の最後の盛り上がりで花火)は2007年のBlack Eyed Peasの”Let's Get It Started"の締め以来。
このバンドは音楽だけやっててももう十分なくらいの曲や演奏力だが、そこに加えてライブにあそこまでビジュアルの要素も加えてきて、本当に「お腹いっぱい」になるライブ。





先にも書いたが、その後マリン方面に歩いて戻るとマウンテンが押していた影響でまだPet Shop Boysが演奏中なのが分かり、急いでもう一度マウンテンに行って最後アンコール含め3曲見て今年のサマソニ終了。

というわけで、さすがに3日間フルだったせいもあってこれまでのサマソニの中では最も充実の内容でありました。
無理矢理ベスト3ライブをピックアップするなら、Pet Shop Boys、MUSE、Carly Rae Jepsenですかね。もちろん他にこの人達と差ない内容なのもいっぱいあったが。

さて来年のヘッドライナーは誰になるのか。今回に関しては全く予測が付かないので楽しみに来年を待つ。

2013.08.06

ROCK IN JAPAN 2013 8/4(日)に行ってきました。

てなわけで、先週末8/4(日)久々にひたちなかのロックインジャパン行ってきました。
水戸住まいなので会場は近所ながら、何気にロッキンに行くのは2008年以来5年ぶり。
今回も最初は特に行く予定も入れていなかったのだが、最終日の大トリがあの人達という事でダメ元で最後の抽選に申し込んでみたら当たってしまったので。

昨年末のカウントダウンジャパン以来のフェスだが、久々に行ってみたらジャンルを問わず色々楽しめた。
みんな最初から最後まで見たわけではないが、朝から見回ったのは下の様な感じ。
ちなみにタイムテーブルはこちら参照。

・DOES
最初は特に見る予定もなかったのだが、朝イチで行ってレイクステージ脇の物販でいくつか購入したところちょうど始まったのでレイクの客エリア外の部分から遠目に見てみた。
まぁいかにも「昔ながらのロキノンのイベント」的なものに合う感じの純粋なロックバンドだな、という印象。ちょっと前に「アイドルとロックどっちが格好いい」的なツイッター上の発言が炎上した記憶があるが、見ていての印象は「あぁ、この人達は心底こういうスタイルのロックが格好いいと信じて進んでるんだな」というのが良く分かるな、と。
先入観なしに見てたら曲はどれも十分格好いいし、もちろんこういうスタイルの人達は音楽業界には居てもらわないと困ると思うな。もう少しライブの合間に遊びの要素があっても良いとは思うが。

・東京カランコロン
昨年末のCDJでも見たバンドだが、デビューから日が浅いのもあるけど、もう見てすぐ分かるレベルで半年前より明らかにバンドとしてのクオリティが上がっている。昨年末見られた空回り感もなくて大分地に足付いてきた感じ。こういうのを続けて見て成長を感じるってのは良いねぇ、と。
キーボード&ボーカルの女の子は相変わらず「TV地上波では扱いづらいと想像される」危なっかしさもある天然キャラだが、ピンで売り出しても人気出そうで。

・miwa
いざライブを見ると「ヒカリヘ」のイメージだけで印象を持つと勘違いしてしまうタイプだな、というのが第一の印象。想像以上に色んなタイプの曲作れる器用さあるし、実はYUIとかと比べてもずっとロキノン適性、というかロック適性あるタイプの歌手なんじゃないか、と思った。ライブで一連の曲聴いていたらむしろ締めの「ヒカリヘ」だけが他と違って浮いている様にすら思えたもの。

この間フォレストの坂本真綾を10分ほど。客エリアの一番後ろのところでファンと思しき男性が1人歌に合わせてヲタ芸を披露していたら、その人の周囲に人が集まって1曲終わったら当の本人に負けないくらいの声援を浴びていた件(笑)

・Scott & Rivers
テントの次に小さいパークステージでそこそこの入り、といった会場でこんな2人のライブ観られるんだからある意味この日最大の穴場だった気がする。アルバム買って聴いてたので予備知識もあったがいかにもWeezerっぽい曲が多いなと。カエラの”Butterfly"のカバーもドラえもんの歌も、誰が聴いたってガチガチなロックにしか聞こえない。
しかし、邦楽フェスの小さい会場の目立たない所でそこそこの入りの客相手にリヴァース・クオモが”Buddy Holly"歌ってる構図って凄すぎないか。一応4年前のフジの最終日でヘッドライナーやった人だよ(笑)。凄く得した気分。

・安全地帯
たった4曲、30分弱でレイクステージを終えるというある意味ロッキン史上に残る伝説のステージを目にした気分(笑)。まぁ玉置さんはライブでも最近良くTVの音楽番組で見るあの雰囲気のままだったが、それにしてもやはり歌唱力は純粋に凄まじい。間違いなく数十年に一人のボーカリストだとは思う。今の年齢になっても声量ちっとも衰えてないもの。ちなみに登場時も退場時も青田典子を呼び寄せてイチャイチャしながら、だった件。

・BABYMETAL
DJブースに近付く際に聴いていたのと最後の1曲合計2曲目にしただけだが、もうその2曲で十分「凄いものを見てしまった感」たっぷり。バックの演奏はDJブースなのもあって生ではなかったが、もうあの3人の子とメタルの組合せってだけで完全に発想自体が別の次元にぶっ飛んでるな、と。
でも全然企画そのもののインパクトだけでは終わっていない感があるのは、真ん中のメインボーカルの子(SU-METAL)の「アイドル歌手としての基礎体力の高さ」によるものが大だと思う。

・9nine
BABYMETALからそのままDJブースで続けて見たが、ある意味この日一番の掘り出し物は彼女たちかも。純粋にめちゃめちゃ格好いい。ダンスもしっかりした内容だしみんな歌唱力も高い(特にあ〜ちゃんの妹はガチで歌唱力ある)。かつての「川島海荷とその他」なイメージは欠片もないな。他のメンバーもきっちりキャラ立ちしてきてる感があって。まだまだ力付けてきそうで楽しみ。

しかしDJブースでステージ始まるのを待っている間に、同じエリアの少し離れたグラスステージからグループ魂のMCや「ペニスJAPAN」が聞こえてくる構図はカオス過ぎた(笑)

・安藤裕子
夕方で御本人の「こういう時間だからゆったり過ごせるセトリで」的な意向もあって、実にまったりした癒やし系な雰囲気。当の本人はMCの喋りが若干浮き世離れしてる感とか、2曲目あたりから裸足で歌ってたりとか、何となく5年前グラスで見た鬼束ちひろ嬢と被るものがある。もちろんあんなに危なっかしい訳じゃないけど(笑)
まぁ正直この日見た他のライブと比べると若干影の薄い感は否めないが、それは仕方ない。

Perfume前のグラスステージに行くとトリ前の10-FEETが若干押し気味の進行で最後の曲 そこで「このフェスはダイブ禁止やから」と客に靴を脱がせて放り投げさせていたが、あの後始末は大変だろうな、と思って笑ってみていたら、最後演奏終了後のステージから捌ける際の最後のボーカルTAKUMAの一言「次から俺等のライブ来る時には安いCROCSで来い、分かったか」オチが秀逸過ぎる(笑)

・Perfume
まぁこの日わざわざ1日だけ来たのは、ついに最終日グラスステージ大トリまで上り詰めてしまった彼女らを見に行くのが目的の8割くらいだったので。案の定あり得ないレベルでの客エリアの人の埋まり方。
まずオープニング、これは以前CDJで見た時も同じだったが、SE一切無し、真っ暗な沈黙の中を3人が出て来ていきなり曲に入る、その出だしからして格好いい。その後最初のMCで、ロッキンの最終日のトリに自分達みたいなアイドルが選ばれたことやDJブースに今年はアイドル勢揃いだったことについてちゃんとMCで真正面から触れるあ〜ちゃん男前過ぎる。
ステージ衣装は最初に出たフェス(2007年大阪サマソニのオープニングアクト)の時の白い衣装に合わせて作ったとのこと。当時は1人あたり衣装代の予算13000円で各自が買ってきたものだったらしいが(もちろん今回の衣装はあつらえ物)。
実は自分はそのサマソニ大阪のステージも見ていたりする。当時はまだ「ポリリズム」のシングルリリース前で、ACのCMで話題になり始めた頃で、当時存在したダンスステージ(テニスコートに屋根付けた狭いステージ)でもキャパの半分ちょい程度の入りだったかなぁ。それを考えると個人的には感慨もひとしお。
とにかくセットリストはこれまでのPerfumeの総決算な感じで。「マカロニ」→「Seventh Heaven」→「心のスポーツ」の流れとかはもう神レベルだったし、後半「エレクトロ・ワールド」やってくれた、もうそれだけでも個人的には思い残す所はないな。大阪サマソニの一番最初にやった曲だった。あれを見た時の「こりゃ凄いわ」と背筋がゾクッとした感覚を未だに憶えている。
アンコールでは「売れない頃から諦めずに突き進んで、クビ寸前の自分達をつなぎ止めてくれたマネージャーさんと一緒にここまで辿り着いた自分達を振り返る」意味での「Dream Fighter」で、という出来過ぎな締め方。
実はPerfumeのライブを見るのは多分2009年末のCDJ以来で、個人的には見るのは久しぶりだったが、3人ともたった3年半前とは比べ物にならないくらいに雰囲気が大人になっていたし、あそこまでの「自信に満ち溢れた感」は今まで見て来たフェスでは見られなかったもの。
他のロックフェス含め、普通の一線級ロックバンドでもあそこまで「フェスの大トリのヘッドライナー」である事を堂々と真正面から受け止めてライブする人達なんてなかなかおらんよ。やはり凄すぎるわ。

今回のロッキンは特にDJブースにアイドル大量出演がひとつの話題になっていたわけだが、まぁ結局2組しか見ていないけど、現在のアイドル業界の盛り上がりは個々のグループのパフォーマンスの向上に見事につながる好循環が出来ている、という印象。それにどのグループも「既存の古めかしい型にはまってない感」があって非常によろしい。
今年のこの流れが今年限りで止まるとも思えず、(今年は自分達のワンマンとスケジュールが被っていたのもあるかも知れんが、)これをきっかけに恐らくももクロあたりも来年このロッキンに出て来るのではなかろうか。今週末のサマソニで見るけど。
その流れを最初に作ったパイオニアであるところのPerfumeの最終日大トリはその「今年のロッキンの裏にあるテーマ」の象徴でもあったと思うのだが、まぁ何だかんだで純粋にエンターテイメントとしての完成度はあまりにも図抜けているな、というのは感じた。

久々のロッキンでしたが、年末居る時は何だかんだで1日くらいは行ってたCDJと比べても「メニュー大盛り感・お得感」は間違いなくこっちの方が上だな、というのは改めて実感したこと。
後は気候がたまたま今年みたいにマシであれば良いんだが、真夏の太陽に耐えなければいけないのさえ何とか克服する術があれば、これからも毎年1日くらいは行ってみたい、そんな気になってきた。

てなわけで先日8/4(日)久々にひたちなかのロックインジャパン行ってきました。
水戸住まいなので会場は近所ながら、何気にロッキンに行くのは2008年以来5年ぶり。
今回も最初は特に行く予定も入れていなかったのだが、最終日の大トリがあの人達という事でダメ元で最後の抽選に申し込んでみたら当たってしまったので。

昨年末のカウントダウンジャパン以来のフェスだが、久々に行ってみたらジャンルを問わず色々楽しめた。
みんな最初から最後まで見たわけではないが、朝から見回ったのはこんな感じ。

・DOES
最初は特に見る予定もなかったのだが、朝イチで行ってレイクステージ脇の物販でいくつか購入したところちょうど始まったのでレイクの客エリア外の部分から遠目に見てみた。
まぁいかにも「昔ながらのロキノンのイベント」的なものに合う感じの純粋なロックバンドだな、という印象。ちょっと前に「アイドルとロックどっちが格好いい」的なツイッター上の発言が炎上した記憶があるが、見ていての印象は「あぁ、この人達は心底こういうスタイルのロックが格好いいと信じて進んでるんだな」というのが良く分かるな、と。
先入観なしに見てたら曲はどれも十分格好いいし、もちろんこういうスタイルの人達は音楽業界には居てもらわないと困ると思うな。もう少しライブの合間に遊びの要素があっても良いとは思うが。

・東京カランコロン
昨年末のCDJでも見たバンドだが、デビューから日が浅いのもあるけど、もう見てすぐ分かるレベルで半年前より明らかにバンドとしてのクオリティが上がっている。昨年末見られた空回り感もなくて大分地に足付いてきた感じ。こういうのを続けて見て成長を感じるってのは良いねぇ、と。
キーボード&ボーカルの女の子は相変わらず「TV地上波では扱いづらいと想像される」危なっかしさもある天然キャラだが、ピンで売り出しても人気出そうで。

・miwa
いざライブを見ると「ヒカリヘ」のイメージだけで印象を持つと勘違いしてしまうタイプだな、というのが第一の印象。想像以上に色んなタイプの曲作れる器用さあるし、実はYUIとかと比べてもずっとロキノン適性、というかロック適性あるタイプの歌手なんじゃないか、と思った。ライブで一連の曲聴いていたらむしろ締めの「ヒカリヘ」だけが他と違って浮いている様にすら思えたもの。

この間フォレストの坂本真綾を10分ほど。客エリアの一番後ろのところでファント思しき男性が1人歌に合わせてヲタ芸を披露していたら、その人の周囲に人が集まって1曲終わったら当の本人に負けないくらいの声援を浴びていた件(笑)

・Scott & Rivers
テントの次に小さいパークステージでそこそこの入り、といった会場でこんな2人のライブ観られるんだからある意味この日最大の穴場だった気がする。アルバム買って聴いてたので予備知識もあったがいかにもWeezerっぽい曲が多いなと。カエラの”Butterfly"のカバーもドラえもんの歌も、誰が聴いたってガチガチなロックにしか聞こえない。
しかし、邦楽フェスの小さい会場の目立たない所でそこそこの入りの客相手にリヴァース・クオモが”Buddy Holly"歌ってる構図って凄すぎないか。一応4年前のフジの最終日でヘッドライナーやった人だよ(笑)。凄く得した気分。

・安全地帯
たった4曲、30分弱でレイクステージを終えるというある意味ロッキン史上に残る伝説のステージを目にした気分(笑)。まぁ玉置さんはライブでも最近良くTVの音楽番組で見るあの雰囲気のままだったが、それにしてもやはり歌唱力は純粋に凄まじい。間違いなく数十年に一人のボーカリストだとは思う。今の年齢になっても声量ちっとも衰えてないもの。

・BABYMETAL
DJブースに近付く際に聴いていたのと最後の1曲合計2曲目にしただけだが、もうその2曲で十分「凄いものを見てしまった感」たっぷり。バックの演奏はDJブースなのもあって生ではなかったが、もうあの3人の子とメタルの組合せってだけで完全に発想自体が別の次元にぶっ飛んでるな、と。
でも全然企画そのもののインパクトだけでは終わっていない感があるのは、真ん中のメインボーカルの子(SU-METAL)の「アイドル歌手としての基礎体力の高さ」によるものが大だと思う。

・9nine
BABYMETALからそのままDJブースで続けて見たが、ある意味この日一番の掘り出し物は彼女たちかも。純粋にめちゃめちゃ格好いい。ダンスもしっかりした内容だしみんな歌唱力も高い(特にあ〜ちゃんの妹はガチで歌唱力ある)。かつての「川島海荷とその他」なイメージは欠片もないな。他のメンバーもきっちりキャラ立ちしてきてる感があって。まだまだ力付けてきそうで楽しみ。

しかしDJブースでステージ始まるのを待っている間に、同じエリアの少し離れたグラスステージからグループ魂のMCや「ペニスJAPAN」が聞こえてくる構図はカオス過ぎた(笑)

・安藤裕子
夕方で御本人の「こういう時間だからゆったり過ごせるセトリで」的な意向もあって、実にまったりした癒やし系な雰囲気。当の本人はMCの喋りが若干浮き世離れしてる感とか、2曲目あたりから裸足で歌ってたりとか、何となく5年前グラスで見た鬼束ちひろ嬢と被るものがある。もちろんあんなに危なっかしい訳じゃないけど(笑)
まぁ正直この日見た他のライブと比べると若干影の薄い感は否めないが、それは仕方ない。

Perfume前のグラスステージに行くとトリ前の10-FEETが若干押し気味の進行で最後の曲 そこで「このフェスはダイブ禁止やから」と客に靴を脱がせて放り投げさせていたが、あの後始末は大変だろうな、と思って笑ってみていたら、最後演奏終了後のステージから捌ける際の最後のボーカルTAKUMAの一言「次から俺等のライブ来る時には安いCROCSで来い、分かったか」オチが秀逸過ぎる(笑)

・Perfume
まぁこの日わざわざ1日だけ来たのは、ついに最終日グラスステージ大トリまで上り詰めてしまった彼女らを見に行くのが目的の8割くらいだったので。案の定あり得ないレベルでの客エリアの人の埋まり方。
まずオープニング、これは以前CDJで見た時も同じだったが、SE一切無し、真っ暗な沈黙の中を3人が出て来ていきなり曲に入る、その出だしからして格好いい。その後最初のMCで、ロッキンの最終日のトリに自分達みたいなアイドルが選ばれたことやDJブースに今年はアイドル勢揃いだったことについてちゃんとMCで真正面から触れるあ〜ちゃん男前過ぎる。
ステージ衣装は最初に出たフェス(2007年大阪サマソニのオープニングアクト)の時の白い衣装に合わせて作ったとのこと。当時は1人あたり衣装代の予算13000円で各自が買ってきたものだったらしいが(もちろん今回の衣装はあつらえ物)。
実は自分はそのサマソニ大阪のステージも見ていたりする。当時はまだ「ポリリズム」のシングルリリース前で、ACのCMで話題になり始めた頃で、当時存在したダンスステージ(テニスコートに屋根付けた狭いステージ)でもキャパの半分ちょい程度の入りだったかなぁ。それを考えると個人的には感慨もひとしお。
とにかくセットリストはこれまでのPerfumeの総決算な感じで。「マカロニ」→「Seventh Heaven」→「心のスポーツ」の流れとかはもう神レベルだったし、後半「エレクトロ・ワールド」やってくれた、もうそれだけでも個人的には思い残す所はないな。大阪サマソニの一番最初にやった曲だった。あれを見た時の「こりゃ凄いわ」と背筋がゾクッとした感覚を未だに憶えている。
アンコールでは「売れない頃から諦めずに突き進んでここまで辿り着いた自分達を振り返る」意味での「Dream Fighter」で締め、という出来過ぎな締め方。
実はPerfumeのライブを見るのは多分2009年末のCDJ以来で、個人的には見るのは久しぶりだったが、3人ともたった3年半前とは比べ物にならないくらいに雰囲気が大人になっていたし、あそこまでの「自信に満ち溢れた感」は今まで見て来たフェスでは見られなかったもの。
他のロックフェス含め、普通の一線級ロックバンドでもあそこまで「フェスの大トリのヘッドライナー」である事を堂々と真正面から受け止めてライブする人達なんてなかなかおらんよ。やはり凄すぎるわ。


今回のロッキンは特にDJブースにアイドル大量出演がひとつの話題になっていたわけだが、まぁ結局2組しか見ていないけど、現在のアイドル業界の盛り上がりは個々のグループのパフォーマンスの向上に見事につながる好循環が出来ている、という印象。それにどのグループも「既存の古めかしい型にはまってない感」があって非常によろしい。
今年は自分達のワンマンとスケジュールが被っていたのもあるかも知れんが、今年のこの流れが今年限りで止まるとも思えず、これをきっかけに恐らくももクロあたりも来年このロッキンに出て来るのではなかろうか。(今週末サマソニでは観る予定だが)
その流れを最初に作ったパイオニアであるところのPerfumeの最終日大トリはその「今年のロッキンの裏にあるテーマ」の象徴でもあったと思うのだが、まぁ何だかんだで完成度はあまりにも図抜けているな、というのは感じた。

久々のロッキンでしたが、年末居る時は何だかんだで1日くらいは行ってたCDJと比べても「メニュー大盛り感・お得感」は間違いなくこっちの方が上だな、というのは改めて実感したこと。
後は気候がたまたま今年みたいにマシであれば良いんだが、真夏の太陽に耐えなければいけないのさえ何とか克服する術があれば、これからも毎年1日くらいは行ってみたい、そんな気になってきた。

2012.08.20

サマーソニック2012 幕張会場1日目(8/18)に行ってきました。

何か競馬の予想以外のBlogの記事って、ドイツ赴任になった2年以上前以来に書く気がしますが(笑)
いつもいつもツイッターばかりだと短い文しか書けない体になってしまうのでぼちぼちこちらも再開しようかなと。

先週末の土曜日、3年ぶりにサマソニ行って参りました。幕張土曜日(8/18)の1日。というわけで久々にレポなどを。

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当日は朝10時過ぎ頃に幕張に到着したわけですが、その時点でもの凄い雷雲が千葉県湾岸沿いを覆っており、京葉線の南船橋駅に乗り替えでいた頃は土砂降りの雨。
それでも海浜幕張駅に着いた頃には若干雨は緩くなってきて、そう遅れる事もなく会場に到着。

当日は結局下記のステージを見ましたのでそれぞれ感想を。(以前同様、セトリに基づく細かい曲紹介なんてのはそういう方面のブログや情報サイト見てもらえれば)

・きゃりーぱみゅぱみゅ(SONIC STAGE)
まぁ予想はしていたがソニックステージは開演前から後方まで超満員。
そりゃ芸能界での仕事はずっとやってたんだろうが歌手としてはまだジャスト1年のキャリア(本人談)なんでどの程度のもんなのかと思ってたが、客の煽り方含め予想以上にステージ慣れしてるというか度胸が据わってるというか。タダモンじゃないですわやっぱり。まぁ結構他のフェスにも毎週出てた様なので慣れもあるのかも知れんが。
個人的には「アンアンアアンアン、ぱみゅぱみゅ、アンアンアアンアン、きゃりーぱみゅぱみゅ」というフレーズで洗脳されそうになる、バイト雑誌anのCMソング「きゃりーANAN」の盛り上がり方が一番だった。
ただ、あぁいうPVで話題になってるキャラではあるので、ライブでのパフォーマンスに「PVで見せている世界以上の展開」が特にある訳ではないですが。それはまぁ立ち位置的には仕方なし。
あと、後方でマターリ眺める人間の中で空気読めずにモッシュを始める輩が出て一瞬殺伐とした空気が漂った(苦笑)
ちなみに11月には早くも武道館でワンマンやるらしい。

終了後、ちょこっとだけレインボーステージに行って、ここ最近良く音楽メディアでも紹介されている覆面バンド・MAN WITH A MISSIONも10分ほど見たんだが、確かに色モノバンドで終わらせるバンドではないという印象は持った。

その後マウンテンのAlexandra Stanを見る前に隣のソニックのGrimesの1曲目だけ見る。
何か「まだまだステージ慣れしていない新人ミュージシャンの女の子が1人で機材を一生懸命いじってパフォーマンスしてる」感があってあれはあれで萌え要素かと(笑)

・Alexandra Stan(MOUNTAIN STAGE)
ドイツでFMラジオで相当流れていたヒット曲”Mr Saxobeat”がいきなり1曲目、その後結局ラストにもう1回。
というかもう御本人が出て来た時のお姿が何とも(目の保養的に)素晴らしくて。このあたりにある御本人の写真を見りゃ分かると思いますが。PVの様なケバさもなく、写真よりホンモノの方が絶対いい。過去にライブで生で見た歌手の中でもルックスといいスタイルといい間違いなく5本の指に入る存在ですな。
MCでは真っ昼間なのに”Tonight"を連発していたのが何ともだったが、メッセの屋内だったからわざとそうなのかリアルにボケてたのかは今でも分からず。
個人的にはドイツ滞在時にヨーロッパでそこそこ聴いていたから知ってたってのと、ルーマニア・欧州発での人気というのもあって現状での日本での知名度が何とも判断しかねたんだが(タワレコあたりではプッシュされていたのは確認していたものの)、いざフタを開けてみるとマウンテンが最終的には結構満員で、締めに一斉にあの曲に合わせてジャンプってのはなかなか壮観でした。知らなくてもノレる曲ばかりで。
この人は今後日本でももっと人気出る可能性はかなりあると見てます。


・Lostprophets(MARINE STAGE)

自分のスケジュールとしてはこの辺りの時間は結構空き時間でどこに行くか当日まで迷ってたんだが、やはり朝から夜までメッセにこもるよりは一度くらいはマリンにも行こうという判断のもとこちらへ。
あまり予備知識も無くスタンド1Fの雨がある程度しのげる後方座席に座って見てたんだが、まぁこういうメタルな系統の人なので、ステージ上もさることながらアリーナのファンの暴れっぷりも半端なくて。
ダイブした客が、前方のステージとアリーナとの間のエリアに落とされて係員に誘導されてアリーナの左右の端まで走って行って入り直す、という光景が立て続けに見えるのを遠目に結構楽しんでいた(笑)
ステージ上のバンドだが、まぁよくも最初から最後まであのテンションを一切途切れさせずに続けられるな、というのは素直に感心。ジャンル的には自分にストライクなものではなかったが。



・吉井和哉(MARINE STAGE)

その後のソニックのGotyeを見るために前半しか見なかったのだが、1曲目いきなりイエモンの”SPARK”から入って「つかみはOK」な感じが。その後も”LOVE LOVE SHOW”とか、ラストの締めでは”JAM”もやったみたいで、何てアラサー・アラフォーホイホイなセトリかと。残念ながらその時間にはいなかったが。
しかし本人曰く45歳らしいが、ボーカリストとしてはイエモン時代から全くもって衰えがないな、これはホントに感心した。歌唱力・声量ともこれまで見て来た日本人ロックシンガーの中でも世代関係なくトップクラスだと思う。


・Gotye(SONIC STAGE)

今回事前に見る予定を組んでいたアーティストの1人。この人の曲もドイツ滞在時にFMラジオで流れまくってたもんで。
ステージ上では本人はボーカル以外にパーカッションも担当するんだが、それがあちらこちらに置いてある何種類もの機材を曲ごとに使い分けていて、まぁ凝り性な人なんだろうな、と。
翌日観たWOWOWの現地中継番組でクリマン清水社長がこのGotyeについて「完璧主義な人でステージのクオリティが保てないとやりたくないと言われて出演交渉が相当難航した」とのエピソードを語っていたが、ステージ見てればそれはすごく良く分かる。とにかく金の掛かったステージ、という印象。
でもやはり彼のステージで最大の印象は、MCを9割方日本語でこなした、という点。それも海外アーティストのフェスにありがちな「あいさつだけ」とか「地名だけ」とかいうレベルではなく、「じゃぁ、次はこの曲でいくよ」とか、完全に文法的に日本語として成り立つ言葉をしゃべってくる。
この御本人、オーストラリア生まれだがベルギー人という事で、ベルギーというと元々公用語が2カ国語で4カ国語5カ国語なんてしゃべれて当たり前の人達ですし、まぁ外国語を覚える能力には長けてるタイプの人なんだろうな、という気はした。恐らくどの国に行ってもその国の言語でMCやっちゃうタイプじゃないだろうか、と想像。
ヒット曲の”Somebody That I Used to Know”だが、フィーチャリングの女性歌手Kimbraはさすがにこの1曲だけでわざわざ来る事はなく、どうするのかと思ってたら、御本人「Kimbraさんが今日は来られないので、Kimbraさんのパートはみんなで歌ってね」などといういきなりかなりハードルの高い要求を(当然ながら日本語で)突きつけてきたんだが、前列のオーディエンスはそれなりに対応していて何とかその場は保てた感(笑)

・Nelly Furtado(SONIC STAGE)
ラストのSigur Rósまでの時間はこの人の最初聴いてマウンテンのthe Hiatus聴いていこうか、と当初は考えていたものの、いざこの人のライブ見始めると結局最後まで見てしまった。
ポルトガル系カナダ人だが、北米のいわゆるR&B系のディーヴァとしてご多分に漏れず、まぁその声量の圧倒的なこと。
それに加えて、天然でエフェクトがかかってるのかと思ってしまう様な非常に特徴のある声質で。
あと、曲の最中にバックダンサーのおじさんが1人ステージ上の後ろで小さいサイズのフラフープみたいな輪っかを色々操りながら所狭しと踊り回ってたのが前半は非常に気になった(笑) Rihannaのステージを後でライブ中継見たけど、そちらでも同じで、米国アーティストのステージはバックのダンサーやコーラスやバンドにも色々と凝る傾向がありますな。
ちなみに本人に加えてサブボーカル担当の女性歌手もずっとステージに居たんだが、その人の歌唱力も相当高い。
最後の締めは5年ほど前にMTVでも結構聴いた”Say It Right"。

・Sigur Rós (MOUNTAIN STAGE)
自分にとっての今年のサマソニは、この人達のライブを見るのが初日の1日券取った目的の実質7割8割だったわけでして、当然アルバムも色々事前に聴き込んで臨んだ訳だが、もう何とも。事前に想像してた様なレベルのはるか上だった。
あの世界は、もはや素人がblogで並べる様な陳腐な言葉では表現不可能。何だか「あり得ないもの、見てはいけないものを見てしまった」的な。音楽ジャンル云々、といったものの次元を完全に3つ位超えている。
前半は新アルバム中心、後半のは今年前半に出したライブアルバム”INNI”のものに比較的近い旧盤曲中心のセットだったが(セットリストはこちら参照)、もう特に5曲目”Sæglópur”以降、事前にやって欲しいと思っていた曲をほぼ漏れなく連発してきた展開はまさに神。「神」というのは2chで使う強調語の次元じゃなくて、ホントに「その場に神がいた」様な雰囲気も感じられる内容。聴いてる側もその時間だけ別次元な場所にいる感じで。ステージ後方に流れる映像も完全に音楽と一体化している。
それと、彼らこそCDやYouTubeよりも絶対ライブで聴く方が印象は数段上、という事が今回改めて確認出来た。ライブだととにかく音量に一切遠慮なし、というか、もう爆音で徹底的に攻めてくる。Jonsiのファルセットボイスのあの響き方もCDとかYouTubeとは明らかに違う。
さらに、観に行く前からとにかくラストの締めは絶対この曲で、と思っていた”Popplagið (Untitled 8)”で期待通り締めてくれて、個人的には満足度100%でございました。

この↓YouTubeの6分30秒以降にある、あの「無限に続いていくかと思わせるクレシェンド」を生で体験出来ただけでもう十分です。

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個人的には最後のSigur Rósだけでも十分チケット代の元が取れた感もありますが、それ以外にも今年のサマソニは見たステージは全てハズレはなく、かなり満足。
裏の日もRihannaやらNew OrderやらPerfumeやら、見に行っても良かったかなと思わせる面子ではありましたが今回は一応1日のみ。でも来年は面子次第では久々に頑張って2日間行ってみようかな、とも考え始めております。
フジ3日間はちょっと体力の使い方が違うんで(笑)自分にはもう結構きつい気はするけど、サマソニなら幕張で泊まる場所とかしっかり確保すれば何とかなりそうですし。あ、野外から逃げ場の無い大阪では無理ですが(笑)

話は変わって、その大阪会場では土曜日にこんなことあんなことそんなことがあった様でなかなか大変だったみたいですが、屋外でのフェスだと天候はどうしようもないですからねぇ。
同じ大阪のa-nationの会場近くでは雷で死者まで出てしまったそうで、サマソニ会場でそこまでの被害がなかったのは幸いだったと思うが、元々あの舞洲の会場は屋内への逃げ場がほとんどないし、相変わらず解消されないアクセスの問題もあるし、やっぱり大規模な屋外フェスを開催する会場としては色々問題があると思うな。
自分は2007年に大阪のあの会場(舞洲に移った初年)に行きましたが、それ以降は毎年幕張にしてます。

というわけで、来年もまた行こうと思います。誰がヘッドライナーになるのかを今から想像するのも一興。
間もなく新譜出すMUSEあたり来てくれんですかね、この前はフジだったし。

2010.08.29

アーティストの他国への進出の件。その2

前回、続きは明日と言っておきながら結局1週間経ってしまった(笑)。
まぁ長いネタは週末くらいにしか書けんわ、実際のところ。

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さて、前回は欧米地域に進出する日本のアーティストのネタだったが、今回は逆で、日本に進出してくる海外のアーティスト(というかタレント)のネタである。

ここ最近、韓国のアイドルユニットが立て続けに日本でデビューしている様なのだが。
既にアイドル歌手ユニットというと東方神起あたりはしっかり実績残しているが、今さかんに日本に来ているのは女性アイドルのユニット。しかもそれぞれ地元韓国では実績十分な大人気のユニットばかりだそうだ。
例えばこんなの。

まずは今年の5月にこの”4minute”ってのが切り込み隊的に日本にやってきて、2曲ほど出してどっちもオリコンチャートでは初登場20位台あたり。まぁそこそこな位置。

4Minute『世界を魅了する韓国女性グループが日本上陸!!』

で、その次に8月になるとKARAっていうユニットがやって来た。こちらはかなり事前にも宣伝に力を入れていたらしく、メディアの取りあげ方も一般スポーツ紙含めかなりのもの。

KARA『楽しく自由に遊んで 一生懸命!!K-POPガールズ期待の新鋭が日本デビュー』

韓国人気グループKARA、“ヒップダンス”に3000人熱狂

KARA、日本デビュー記念握手会に劇団ひとりが祝福

で、いざCDデビューしてフタを開けてみると何とオリコンチャート初登場5位まで持って来た。

韓国ガールズグループ・KARA、ノーランズ以来29年8ヶ月ぶりの海外女性グループデビュー作TOP10入り

で、来月にはいよいよ韓国の女性アイドルユニットの中でもトップクラスと言われるこのユニットがCDデビューとのこと。
こちらは先にデビューした2組をはるかに上回る規模で大キャンペーン中。

“美脚”グループ・少女時代、韓国女性グル―プ初のDVD総合TOP5入り

“少女時代”到来!? 日本デビュー前に2万人超イベント

KARAとの規模と比較しても、普通に考えても恐らくオリコンチャートでは相当な上位に来るのではないかと想定される。

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さて、上に紹介した韓国の女性アイドルユニットの各種イベントなんだが、どうも日本のアイドルユニットとは明らかに違う客層らしく。
以外に多いのが10代20代の女子なんだと。
あと、ネット見てると男性だと結構高い年齢層にも名前が通っている様で。

今日本じゃほぼ一人勝ち状態のAKB48など、客層は20代/30代のヲタ男性が中心なのだが(さすがに今では女子にも名は広まりつつあるけど、人気出る前は完全にヲタ男性がターゲット)、彼女らのイベントに集まるのは全然そっち系じゃないんだとか。

それを読んで、なるほど韓国らしいな、と思った次第。

これを「韓国らしい」と思った理由は何か。
それは、全然違うビジネス分野ながら、自分が今関わる業務分野でも韓国の人達の海外のビジネスのやり方には際立った特徴があると思ったので。

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韓国人の海外でのビジネスのやり方にはジャンルに関わらず1つの共通点があり、それは
「他の国がなかなか行かない様な市場への進出が異常に早い」

ということ。
例えばアメリカがかつてテロ支援国家に指定していたリビアとか、旧ソ連の中央アジア諸国とか、中近東の小さい国とか。
驚くくらい、「こんな国になぜ」という様な国に韓国人が先に乗り込んでいる。

あと、今住んでいるドイツでも、アジア人向けの輸入食料品店とか、カラオケバーとか、そういう店を経営しているのは大部分が韓国人だったりする。
当然彼らは日本人相手にもそういう国でちゃんと日本語で商売をする。ほぼ全員が滞在先の言語以外に日本語も話せる。多分中国語だって話せる人いると思うよ。

なぜ韓国人はそういう商売のやり方をするのか。
ある所で聞いた韓国人の話によると、
「韓国製の製品は、海外で売ろうとしても、品質では日本製に負ける。さらにコストでは中国製に負ける。
だから日本製や中国製も売られている市場に持っていってもセールスポイントが無く苦しい。
じゃぁどうすれば良いか。日本も中国も進出していない様な場所に行って商売するしかないじゃないか」

という発想なんだとか。

それに加えて韓国という国は面積も小さいし人口も少ない、さらに少子化は日本なんて甘っちょろいレベルで激しい進み方。
だから国内市場も日本よりはるかに縮小傾向であり、国内の商売でなんてやっていけない。
(これは韓国国内のCD市場もそうらしいが)
だから上の様な発想で海外で商売しないとこの国の企業は食っていけない、という事。

その結果、日本じゃほとんど見ないHYUNDAIの自動車はアメリカに行っても中国に行っても、さらには最近ではヨーロッパ各国でもかなり目に付くし、SamsungとかLGとかの家電製品とか携帯は、海外のどの国に行っても、日本の家電をほぼ凌駕している。
Samsungの2009年のInterbrand社のトップブランドランキングなんて、日本のどの電機メーカよりも上(世界で19位)だし。(ちなみに日本企業でこれより上なのは8位のトヨタと18位のホンダのみ。ソニーは29位、パナソニック75位)
トップ100のランキングについてはこちらを参照されたし。

日本の外に出たら、いかに今世界中で日本製品が韓国製品(最近は中国製品も)に押されっぱなしか、誰の目にも良く分かるよ。
日本国内に居る限りは全然感じられないだろうけど。

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話を元の芸能界に戻そう。
韓国の業界が彼女らアイドルユニットを売り込むのに、どういう戦略を立てているか、それがこの今回のKARAの売り込み方を見てると非常に明快。
明らかに日本人が気付いていない「別のファン層」の存在に気付いていて、そこを突いてきているってのが良く分かる。

日本の業界って、AKB48がちょっとあぁやって20代・30代のヲタ男性をターゲットに成功したのを見るや、その後雨後の竹の子状態で同じ様なフォロワーのアイドルユニットがわんさか出てきている。
でも彼女らを見てると結局ファンのターゲットはみんな同じ。女性アイドルユニットを好むのは20代・30代の、可処分所得の高いヲタ野郎共、という枠組みをみんな揃って作ってしまって、その狭い範囲の中でファン層の奪い合いをしているのが実情。
女子はみんなジャニーズとか男性アイドルに行っちゃうだろう、と決めつけてしまっている様にすら見える。
AKB48はようやく最近は女子含めた一般層にも名前が広まりつつあるが、これはごくわずかな勝ち組にのみ発生する傾向。
「その他大勢」のアイドルユニットなんて一般層はみんな興味無いのが実情だろう。

でも良く考えたら、例えば昔だと、あの一世を風靡した”SPEED”なんて、女子にもめちゃくちゃ人気あったじゃないか。そもそもカラオケで歌われる事考えれば、女性アイドルユニットを女子向けに売り込むのって何一つおかしな戦略でも無い。
でも結果的に今の時代の日本のアイドルユニットでそれを実行しているのってほぼ皆無。
それを見て韓国の芸能界がそこを突いてきたってのが実に皮肉というか何というか。
ある意味、国内の業界に関わっていない、日本の外から状況を見る立場だからこそ実行出来た戦略なんじゃないか、と思っている。

今ふと思い返せば、東方神起のファン層ってジャニーズを追っかけるファン層と微妙に異なるよね。明らかにジャニーズのファン層である10代中高生をコアにしていない、もう少し上の年齢層をターゲットにしている様に思える。
彼らが時間を掛けてでもちゃんと日本の歌手活動を軌道に乗せたのは、ジャニーズと微妙に被らないファン層の構築に成功したからだと思う。(まぁ結局自前の事情で分裂しちゃったけど。あれはもったいないなぁ)

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あともう1つポイントがあって。
韓国のユニットってちゃんとステージ上の歌やダンスといったパフォーマンスにしっかりした「売り」を持ってる子達だな、という感じがする。

少女時代、愛される理由は「プロフェッショナル性」

そんなファンの心を掴む『少女時代』の魅力は、「歌、ダンス、スタイル全てがすごい!」というプロフェッショナルさ、そして「曲を聞いているとクセになる」という点にあるようだ。

日本のアイドルにありがちな「歌もダンスも特に目立つ訳では?なんだけど可愛いから売れてる」的な売れ方なのアイドルはほとんど存在しない気がするな。まぁそういう要素で売るのは「日本人」でないと厳しいから当然かも知れないけど。
もちろん日本のアイドルでも、曲やダンスのクオリティ勝負で広いファン層の支持を得ているPerfumeという好例もあるが、こういうのは本当にまれ。

で、ここ最近の日本で「プロっぽくないけど身近な存在」が売りの芸能人があまりにも乱発され過ぎて、もういい加減みんな飽きてきたんじゃないのかな、と。
そういう人達が結果的に韓国のアイドルユニットに流れる、ってな構図は十分あると思うな。

これ、書いてみた後に良く考えたら
「日本のドラマの拙い脚本やヘタな演技の役者に飽き飽きしていた年配の人達が韓流ドラマを見てハマる」
という構図と全く同じ
なんじゃないか、て事に気が付いた。
同じ事が今度は音楽業界でも起こりつつあるんじゃないの。

とりあえず再来週の少女時代がオリコンで何位くらいに来るのかには注目。

2010.08.23

アーティストの他国への進出の件。その1

ここで芸能ネタを書くのも久々だな、一時期は毎日の様に書きまくっていたのに(笑)。

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タイトルの件で。日本のアーティストが国外に進出するケース。

夏フェスも一連のフジ→サマソニ&ロッキン→ライジングサンの大型フェスが終わり、ピークも過ぎたところであるが。
当然今年は日本に居ないのでどのフェスにも行けなかったけど、フジもサマソニもライジングもすごく行きたくなる面子で、行った方々が羨ましい。

で、そういった日本のフェスが開催されている裏で、当然ながら他の国でも同様の野外フェスが開催されている。
欧州は6月にイギリスのGrastonburyとかドイツのRock Im Ringとかといった大型フェスが多いのでこの時期はあまり無いが、アメリカではLollapaloozaという都市型(サマソニ的な)フェスでは最大のフェスがちょうどロッキン・サマソニの裏の日程(8/6〜8/8)で開催されていた。
今年はそのLollapaloozaに日本から初めてX JAPANが出演。
それほど大きく一般芸能ニュースで取りあげられている訳でもないが、こんな大型フェスに日本のバンドが出演するというのは本来もっと大きな記事にしても良い気がするのだが。
ただでさえ音楽関係ではろくなニュースが無い時期だし。

で、こういうのはスポーツ新聞を筆頭とした一般芸能マスコミの記事だといつもの「1を100か1000くらいに誇張して記事にする」ケースなのがオチなので、そういう情報は一切無視して(笑)、実際彼らが向こうでどういう待遇で客からどういう反応をもらっていたのかなぁ、というのを色々と調べてみた。

まず、実際彼らがフェスのどういうステージでどのあたりの位置で演奏する扱いだったか。
これはもちろん主催者のWebサイトでタイムテーブルを見れば誰でも一瞬で分かる。

2010年のLollapaloozaのタイムテーブルのうち、X JAPANが出演した最終日8/8のものはこちらを参照。
これを見たら分かるが、このフェスのメインステージである”Parkways”の、合計5組のうちの真ん中・3組目の位置での演奏。これを見る限り、こんな大型フェス初出場にしてはかなり良い扱いだという事が分かる。
ちなみにこのステージの3日間それぞれのトリ(ヘッドライナー)は、初日Lady Gaga、2日目Green Day、最終日Soundgardenといったアメリカでもトップクラスの人達。それと同じステージだからな。

主催者からは結構良い扱いである事が分かった。
では。実際客の反応はどうだったんだろう。

これに関しては、既に何件かこのフェスのライブ映像がYouTubeに落ちている。それを見てみよう。特に客席側を映している映像に着目。

8/8のX JAPANのステージ 客側の様子を映したものがこれ。

皆さん、これ見てどう思われますかねぇ。
正直なところ、お世辞にもこのステージにしてはイマイチな客の入り、という感じが。
前の方は盛り上がってそうだが、こりゃ明らかに「日本から来たファン」っぽいしねぇ。

比較対象として、今年のこのフェス、同じステージの他のアーティストの客側の様子を見てみよう。

まず、8/7(2日目)の、X JAPANとちょうど同じステージ・同じ時間帯に出てきたGogol Bordelloのステージの客側を映した映像。

続いて、8/8、X JAPANと同じ日、彼らのすぐ後に出演したWolfmotherのステージ、

まぁどう見ても客の入りでは負けてますわな。

いや、ここでX JAPANをからかう気などは毛頭無い訳で、そりゃアメリカの「一般の音楽ファン」(特に日本に興味無い、本当の一般のファン)における彼らの知名度はまだまだ低いのは当然な訳で。YOSHIKIだって事前のインタビューで「アメリカではまだ新人ですから」といった事を言っていたし、当然本人達は自覚してると思うよ。
一方でABCのニュースなんかには単体で取りあげてもらったりして、やることはちゃんとやってる様だし。
まぁ、この後米国ツアーがまたあるそうだし、そういう所で地道に知名度を上げていく所なんだろうな。近道を狙って売り込むのは賢明じゃないと思うよ、個人的にも。
色々裁判沙汰もあるみたいだが、今後とも頑張って頂きたい。

もう1件、同様のネタがあるのだが長くなったので続きは明日。

2010.05.15

今後の音楽ビジネス展望(大げさ)

さて、個人的な話で恐縮だが、明日出発で2年ほどドイツに滞在する事になった。
今まで日本の音楽業界のネタを何度か書いてきたが、取りあえずは現状何が起こっているのか、今後どうなっていくのか、的な纏めをここで書いて、このBlogでのネタ提供は取りあえず一旦区切りを付けようと思う。

まぁ、今じゃネットがあるので日本に居ても居なくてもあまりこういう分野に触れられる環境は変わらんとは思うがな、ただ、あっちでも日本に居る時と同じ物ばかり見ていてもあまり面白く無いし。

とりあえずこのBlogは残すが、場合によってはリニューアルして行く可能性もあり。まぁリニューアルと言っても背景程度かも知れないけど(笑)

参考文献としては、坂本龍一教授のこのコラムかな。これをきっかけに書いた、というのもあるので。

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昔、18世紀とか19世紀の頃(バッハ・モーツァルト・ベートーベンといった作曲家がいた頃)のヨーロッパは貴族社会。
作曲家や演奏家といった、音楽を生業とする人(プロの音楽家)の収入源は、王室や貴族の”パトロン”から支払われる金。当然そういう人達に向けた曲が主体。(限られた人向け)
映画「アマデウス」を見た人なら分かるでしょ、あの世界です。
あぁいう貴族階級の人はとにかく金だけは有り余るほど持っているが超ヒマで、労働とは一切無縁で、1日中芸術をたしなむのに明け暮れる様な生活。
だから当然金を払う音楽に対して要求されるクオリティはとてつもなく高い
結果として、出来上がった物がどんなのかというと、それこそ当時の著名な曲がその後200年・300年経った現在においても未だに「クラシック音楽」として消えずに世の中に残っている、そういうレベルのクオリティ。
当時の音楽は当然直接の再現方法は「ライブ演奏」しかない訳だが、作品として完成された物を間接的ながら常に高精度に再現出来る様に開発されたのが「楽譜」。このお陰で、今の時代でも、今の演奏者が当時の「ライブ演奏」をかなりの精度で再現出来るわけ。

一方で、当時の一般の平民の間で広まる音楽は、作者個人の名前が前面に出た作品というよりは「詠み人知らず」的な位置付けで、祭りなどでいろんな人が演奏したり歌ったりしながら、人から人へ、世代間を伝わって行く。
録音機器などは当時は当然無いし、こういう地位の人達の音楽には楽譜もほとんど存在しないので、音楽を伝承する方法は基本的には「ライブ」の形で耳と口と文字を使う方法。

その後近代になって、フランス革命やらロシア革命が起こり、貴族社会から市民が主役の社会になった。
必然的に、音楽で収入を得るプロの音楽家の収入源も、貴族達から一般庶民に変わっていった。
しかし当然一般庶民ひとりひとりは、提供された音楽に対する対価は貴族ほどの単価では支払える訳がない。
ただし、お分かりの通り、支払ってくれる一般庶民は、単価は低いが「アタマ数」は貴族なんかより圧倒的に多い。
そこで、音楽家が、これまでの貴族相手の時と同程度の、生活するのに十分な収入を得るためには、単価が安い分、数で稼ぐしか無い。
すなわち、より多数の市民に受け入れられる種類の作品を作る必要がある。(語弊もあるが、クオリティそのものより「受け入れられるか」の要素が先んじる

さらにその後、これまで「ライブ」でしか表現出来なかった音楽を形のあるもの(メディア)に記録してほぼ永久に保管・いつでも再現出来る機械として、蓄音機が発明された。これはその後レコードになっていく。
この機械の発明によって、音楽家が「ライブ」で演奏せずとも、自分の曲の音源をその機械でコピーして売り、間接的に収入を得る、という新たなビジネスモデルが生まれた。これが「多数のユーザに向けた商売」へのさらなる加速につながった。
その後さらにステレオが開発され、音源を提供する手段(=メディア)はレコード・CDと変わって来て、音質の向上が一気に進んだ。
しかし、メディア(固体)に音源を記録して売るというビジネスモデルはかなり長い期間変わらず続いた。

ところが、1990年代になると「インターネット」が登場し、その後10年・20年掛けて、徐々に音源を提供する環境がほぼ100年ぶり?に大きく変わる事になる。
「音」という形の無いものをやり取りするのに、これまで必要だった固体の媒体が不要になって、「データ」という、形が無い状態のままでのやり取り(すなわち「ネット配信」)が可能になった。
当初はご承知の通り低音質だったが、これはさらに固体メディアの蓄音機→レコード→CDの流れと同様、年を経る毎に品質が向上していき、気がつけば、固体メディア上に載る音楽の品質に対し、一般人には区別出来ない位のレベルにまで追い付いてしまった。
形の無いものを形のあるものに載せる、というコスト・形のあるもの(メディア)そのもののコスト・輸送コスト云々が配信では全く発生しない。当然、配信の方が圧倒的に安くなる。(それこそ坂本龍一の言う通り、ゼロに近くなる)。
そうなれば、一般庶民が安い方を選択するのは当然。legalだろうがillegalだろうが、同じ品質のものがタダで手に入るのなら誰だってそれを入手しようとする。

これにより、音源自体の単価が価格破壊的に安くなる現象が起こり、音楽家は当然ながら「従来のメディアの形で楽曲を売る、というビジネスモデルに乗ることで得られていた収入」を得る事が一気に困難(というよりは「ほぼ無理」)になる。
ただでさえ、一般庶民は1人辺りが音楽に支払う単価が少ないので数で勝負するしかなかったのが、その単価がゼロに近付く事で、もう数で勝負するにも限界のレベルに来てしまう、ということ。
そうなると、音楽家が生きて行くには、もはや従来のビジネスモデルを変えるしかない、という事態に追い込まれている、今はちょうどその過渡期にあたると思う。

では従来のビジネスモデルをどう変える必要があるのか。
現状、実行されている方法論は主に2つ。

  1. 「一般庶民」と異なる、より単価の高い客層にビジネスの対象を変える。
  2. 音源を売って利益を得る、というビジネス形態そのものを変える。

これのどちらか1つだけを選ぶ、という類の物ではなく、そもそも2種類の方法論は全く切り口が異なるので、2つの戦略を両方同時に実行することだって出来る。

主に1の手段を選んだのが日本で言うとジャニーズやアイドル系の人々。もちろん「握手会付き」「イベント付き」など、2の要素も併せて取り入れている。
その「より単価の高い客層」は、当然今の時代には貴族階級というものは事実上存在しないので、一般庶民の中から開拓してターゲット化していく必要がある。
現状は具体的はこんなところか。もちろんあくまで「ターゲットとする主な客層」であり、振れ幅は当然存在するが。

  • ジャニーズ主体の男性アイドル・・・親からもらったお小遣いやアルバイトの金でCD買ったりコンサートに行ったりする、10代・20代の女子中高生層を中心とした、昔ながらの「男性アイドルの追っかけ」層の女性達。
  • 男性韓流アイドル・女性アイドル・・・狭い範囲に人並み以上に興味を示すマニアックな人格で、なおかつ高い可処分所得があるので2の様なビジネスモデルに付いていってくれる客層。すなわち社会人・主婦層。

一方2の「ビジネスモデルの形態そのものを変えていく」のを主体にした例というと、海外で従来のレコード会社とは異なるイベント会社と360°契約を結んだMadonnaとか、音楽以外の分野で自分のキャラクターを利用して商売をする人。もっと言えば、歌手が本業の音楽以外に自分の顔でTVで役者やったりモデルやったりCMに出たりするのも広い意味ではこのケース。

その結果、メディアorネットに関係なく、ただ「大多数の一般庶民向け」に受け入れられる様な物を目指して音源を提供して、数をこなす事で収入を得る、そういう近年まで主流だった音楽ビジネスから、プロの音楽家は徐々に距離をおきはじめている。
これが「音楽チャート」の形骸化につながっている。

では、そういう「限りなく価値がゼロになってしまった」音源を、マニアでない人も含めて誰もが無制限で触れられる場所で楽しむ場所はあるのか、というと、今の社会では当然「ネット」の中になるのでは、と思う。
そういう場所にはどういう人が集まるかというと、極端な話、「ただ音を作って鳴らすのが趣味で、楽しいから自発的にやる」タイプの"無名"の人々。それこそ昔から祭りやなんかで音楽を演奏して楽しむ一般人と同じ。
そこには「商売」の要素は基本的には無い。ただ「好きな人」がやってるのもあって、決してクオリティは低くない。
それが今の時代のニコ動でのボーカロイド「初音ミク」で作った音楽、的な物に該当するって事なんじゃないのかな。
ただ、昔の「一般大衆の間に広まった音楽」的な規模と比べればまだまだ相当狭い範囲での広まりではあるが。(正直、こういう世界に全く触れたことの無い人が世の中では大半だと思うし)

以上を踏まえて、今後の音楽業界がどういう方向に進んでいくか、というと。まだ結論っぽくはないが、今の時点ではこの程度の事しか言えないかな。

・プロの音楽家が発信する音楽については、まずメディアの固形物が消滅してデータ化に移行していくのは時間の問題。曲の単価も限りなくゼロに近くなり、ライブや音楽家の周辺グッズ等の総合的なパフォーマンスに対して対価を支払ってくれる客層を構築出来る人が生き残る世界になる。
以前より厳しい様にも見えるが、何てことはない、極論すれば昔のバッハやモーツァルトの時代と同じ(笑)。
アーティストとしての能力もさることながら、どういう「パトロン」を得る事が出来るかも生き残る為の重要な要素になっていく、ということ。

・大量の一般庶民の中に存在する音楽は、正直どういう方向に向かっていくのかちょっとまだ不透明な感じがする。
個人的にはニコ動での「初音ミク」系もネット内のマニア層に留まっている感じがするし、これが果たして今後キャズムを超えて大多数の一般庶民に広まっていくかというと、個人的にはあまり可能性は高くない気もする。ネタにされる対象の音楽の種類にもよると思うけど。
もしそういう音楽が今後残っていくとすると、今のネット上の形とは全く違う物が今後現れて一気に広まる、そんな可能性もまだあるんじゃないかな。
こういう時に逃げの言葉として便利な「過渡期」という言葉でごまかしておこう(笑)

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では、明日よりそのバッハやベートーヴェンの居た国に行ってきます(笑)
ごきげんよう。

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