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2007.02.15

アーティストの最も理想的な売り方

木村カエラ、初のオリコン1位に「これからもがんばりま寿司」 (ORICON STYLE)

まぁ先週は同週にアルバム発売の歌手にめぼしい存在がピークを過ぎたMISIA程度で、前の週のGLAYも今ひとつ売上が伸び悩んでいた状況でもあり、まず首位は獲れるだろうと思っていたが、何と初動売上枚数が20万枚弱。昨年の2ndアルバム"Circle"が10万枚弱だったので、先日の記事でも前作初動は当然突破、出来れば20万枚程度は、と希望していたが、まさにその想定していた最高レベルの売上を記録した。
おめでとうございます(^^)

私がこのアーティストを気に入っているのは、歌唱力や本人のキャラもさることながら、私の研究テーマ(wの一つである「アーティストの売り方」の点で、私の考える最も理想的な売り方を実践している、というのも大きい。曲の中身に関しては先日書いたので、今回はその「売り方」の話を主体にしたい。

「リルラリルハ」で全国区になってから「すぐ」ではなく、「2年掛けて」の1位、というのが非常に意義がある。しかもその2年間、ほとんど休む事なく、TV出演は控えめにしてライブを主体にじっくりと音楽活動を続けながらのここでの1位である。
まさに「一発屋」と180度対極にいる存在。
こういう形で1位に立った時点で、もう当面の間人気が落ちる事は無いだろう。

それまでの音楽活動も実に個性的というか、変に聴く側に合わせようとせず、自分自身でかなりこだわりを持ちながらの活動だった。
組む相手も、業界ではかなり名の知れたプロデューサ(但し一般向けにはそれほど、という人)が多かったし、ミカバンドにまでボーカルに選ばれたし。
一方で、すぐ売上を伸ばせるドラマや映画のタイアップは一切やらなかった。(嫌われ松子はあれはタイアップとは言えんだろう)
話の1つや2つは絶対あったはずだが。
1度だけドラマ主題歌でPretty Womanのカバーを歌うが、何故かシングルリリース無し(サントラにのみ収録)、アルバムにも収録されない、という異例の扱い。

そういう活動の仕方のせいか、シングルの売上枚数の推移が、他のどの歌手にも見られない、非常に面白い傾向を示している。
"リルラリルハ"からしばらく経って奥田民生プロデュースで発売した"BEAT"は、おおよそポップス路線とは離れた「奥田民生」節であり、さすがにファンも違和感を感じたか、売上はそれほど伸びず。
ところがその後、2年弱の間にシングルを合計4枚リリースし、その4枚連続で初動売上が前作から増となっていた。それも、どれも「急増」でなく「微増」。
最新シングルのSnowdomeなど、アルバム先行にも関わらず前作から初動枚数UPである。
これは要するに
「(大型タイアップやTVの出演がそれほど無いことから)ミーハー人気しないので大量に売れる事が無い」
「ただ、一度食いついたファンは絶対離れない(→1度買い始めたファンは次作も大体買い続ける)」

という事なのでは、と思う。

一度食いついたファンが離れない理由は、逆説的だが、「一見さん」には若干取っつきづらい点も大きいと思う。とにかく出す曲出す曲毎回曲調が違うというところ。
これは彼女の歌手としての「懐の深さ」あってのものだが、人気歌手にありがちな、例えばバラードでヒットしたからバラードだけは売れる、といった事が一切無く、本当に毎回どんなタイプの曲が出てくるか分からない、という面で、聴く側は毎回その違いを楽しめる。この楽しみ方に一度気が付いてしまったら、まぁそのファンは簡単には離れない。
「前の曲よりいい」「いや、あの曲が一番良かった」とかいう、彼女の曲の中での比較の議論が毎回毎回ファンの間で巻き起こる、ファンもその議論を毎回楽しんでいる、という流れが出来る。

あと、特筆すべきは、「ライブでの歌唱力」がこの2年間で誰が聴いても分かる位上がったこと。
デビュー翌年の最初のライブツアーの頃は、声の出し方は今と変わらないものの、音程に関してはお世辞にもうまいとは言えなかった。聴いていて音を外さないかハラハラしてしまう感じ。
ところがそれから1年後、昨年のロックインジャパンで実際ライブを聴いて、音程の取り方がほぼ完璧なものに変わっていて本当に驚いた。やはりライブを相当数こなして鍛えられたのが大きいのでは、と思った。もちろん、裏の見えない所でもきっちり練習して努力しているんだと思う。

事務所及びレコード会社の方針もしっかりしていて、彼女は今こそMステの常連になっているものの、初出演は昨年の1月とかなり遅かった。多分TVの全国区の生中継歌番組でも自信を持って出演させられるだけの歌唱力を付けるまでじっくり待った、という事かと思う。

で、この3rdアルバムが、世間の中で歌手としてのランクを一気に上げられる機会とみたか、急にTVでのPRを積極的にする様に活動を切り替えた感じ。
しまいにはゴシップネタ公表という「反則技」まで使ったが、結果的にアルバム売上げ倍増につながったと思う。

何だか、先週から今週にかけてのこの期間だけで、世間での知名度ランクが完全に数段上がった感じもする。
ずっと評価してきた人間にとってはうれしい反面複雑な感覚もあるが。
目立たない条件戦を走っていた時から力を評価してずっと単勝買い続けていた馬がG1に出て来て強い勝ち方をしてしまい、もう次のレースから単勝毎回1倍台で買いづらくなってしまった、そういう感覚に似ている(ww。
「いよいよバレてしまったか」て感じで。

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コメント

最初にカエラ嬢の生歌を聴いたのが’05年8月のJ-WAVE LIVE 2000+5でした。そのときはaipoさんの書かれた最初のライブツアーのときのように音程が安定してなく、マイクアクションがうまくいっていないのか歌いだしの声が切れたりしていましたが、その年10月のROCK ONツアー(渋谷AX)でほとんど直っていたのでこんな短期間のうちにと驚いた覚えがあります。
今後は東名阪の大きな箱でもやってほしいものです。

>ZOUさん
回答遅くなりましたがコメントありがとうございます。

東名阪の大きな箱、追加公演でまさに実現しました(^^)
ここで武道館とは驚き。本人の夢だったそうで良かったですね。

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