音楽文化のレベルの差を感じる。
実はこのベックの発売したアルバム、全く同じ内容でiTunes Storeでも発売されている。
洋楽にしては3,200円と、iTSにしてはかなり高価だが、そりゃアルバム全曲分のPVが付いていればダウンロードでもこのくらいの価格にはなるだろう。
ちなみに実際のCDパッケージには、全曲のビデオクリップが収録されたDVDが付いている、という仕様になっている。また、パッケージも何も描かれていない方眼紙になっていて、中に封入されたシールを自由に貼って好きなように楽しんで下さい、という仕様。確かに購入欲をそそられるアイデアである。
で、英国ではこのアルバムが「あまりにも特典映像等のオマケが多く、チャートに加えるには"Unfair advantage"である」との理由で、除外扱いとなった、とのこと。
しかもすごいのは、ベックの陣営もその決定に対して全く不服を申し出ず、しっかりと受け入れているところ。記事から。
ベックは、OCC(注記:Official Chart Company:日本でいうとオリコンにあたる会社だろう)の決定にチャート入りしようがしまいが「大した問題じゃない」と感想を述べている。「CDのアートは買って聴いてみようという意欲を促進
するもの。最終的には(チャート入りは)関係ない。ファンからの反応は、かなりいい。それが1番大切なことだ」とBillboardで語っている。
また彼のスポークスマンも「チャートの規則に反する可能性があることは承知していた」と話している。「しかし、DVDもステッカーも素晴らしいアイディアだったし、ベックの計画と違うものを作ろうなんて考えられなかった」。
やはり欧米の一流のアーティストの姿勢は違うなぁ、と、これを読んで感じた。
あくまで自分が表現したいものを自分のやりたい方法でリリースし、それを受け側であるファンがきっちり評価さえしてくれれば、チャートの順位なんてどうでもいい、と。
彼の今回のアルバムにつぎ込まれたアイデアが決してチャートの順位を上げる為でない事は、このアルバムが今回の特典付きのもの1種類のみである、というところからも理解出来る。初回限定盤で出してとにかく発売週にたくさん売る、という事は全く考えていない。あくまで今回の形がこのアルバムで彼が示したかった形なのである。販促だけが目的のオマケなどでは決してないのである。
一方、UKのチャート会社の態度も非常にしっかりした、フェアなものだと思う。
あくまでアーティストがリリースしてくる曲の内容・質がチャートの順位を決める主要因とすべきである、という、明確な意志を示したものだと思う。
こういうのを見て比較すると、オリコンチャートを中心とした日本の音楽業界の未熟さを痛感せざるを得ない。
とにかく初登場でオリコンチャート1位を獲りたいが為に、発売時に何種類も別パッケージでオマケ付きの初回限定盤を出し、ある時には中身の曲のラインアップまでその複数種の中で変えてしまう様な売り方をする、ジャニーズを筆頭とした日本の芸能事務所には、彼の爪の垢を煎じて飲ませてやりたい気分である。
オリコンもオリコンで、そういうのを全く黙認して、限定盤も通常盤も全部合わせた数でチャートの発表をしている。8種類の限定盤を出した曲と1種類の通常盤しか出していない曲を同じ様に売上げ枚数で比較するのって、確かにどう考えてもフェアではない。このUKチャートの会社の態度を見習って欲しい。
まぁ、オリコンがジャニーズの複数枚販売を「フェアじゃないのでチャートから除外します」なんて宣言する、などという光景はどうしても想像付かないが(苦笑)
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